口腔機能低下症という病名がつけられるようになったが、その実態はまだ解明されていないことが多い。今回回復期病院入院患者を対象として研究を行い、ペースト食を食べている患者でも食品を選べば咀嚼機能を評価できること、咀嚼機能は容易に消失しないことがわかり、歯科診療により咬合を回復することの重要性が示された。また、在宅療養患者において食形態の低下は入院や死亡のリスクになることが明らかとなり、常食を食べ続けることの重要性が示唆された。歯科診療により要介護高齢者の機能向上が可能であり、摂食嚥下機能は生命予後にも関係する。歯科診療においても入院や死亡のリスクを評価しながら介入することが必要であると考えられた。
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