研究課題/領域番号 |
17K12042
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
竹山 雅規 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (10397135)
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研究分担者 |
丹原 惇 新潟大学, 医歯学系, 助教 (10636228)
高橋 功次朗 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (40736625)
齋藤 功 新潟大学, 医歯学系, 教授 (90205633)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 閉塞性睡眠時無呼吸 / 男女差 / 年代差 / 矯正治療前後 / リスク予想 |
研究実績の概要 |
新潟大学医歯学総合病院呼吸器感染症内科の成人患者112名(男性57名、女性55名)を対象とした。資料は、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の治療前に撮影した側面セファログラムと終夜睡眠ポリグラフ(PSG)検査結果とした。側面セファログラムのトレース後、頭蓋骨、上下顎骨、上下顎切歯、舌骨、頸椎、咽頭気道、軟口蓋面積、舌面積について計測し、PSG検査結果からは無呼吸低呼吸指数(AHI)、BMIを抽出した。次に、男女別にBMIを指標に肥満度について3群に、年齢について50歳をカットオフ値として2群にそれぞれ区分した。各群における計測結果について、Spearmanの順位相関係数を求め統計学的に比較検討した。 対象者全体ではAHIとBMI、舌骨の垂直的、前後的位置、舌面積についてそれぞれ有意な正の相関が認められた。男女別にみると、男性では鼻部咽頭気道前後径のみに、女性では舌骨の垂直的位置とBMIにそれぞれAHIと有意な正の相関が認められた。年齢別にみると女性50歳未満群ではAHIと相関がみられる項目は認められなかった。肥満度別にみると男女とも、軽度肥満群でのみAHIと舌骨の位置に有意な正の相関を認めたが、標準群と重度肥満群ではAHIと相関がみられる項目は認められなかった。BMIが大きく舌骨が下方にあるほどAHIが大きかった。また、第三頸椎と舌骨の距離が長いほどOSAが重症化している可能性が示された。性別や年齢、肥満度別に検討した結果、各群によってOSAの病態の特徴が異なることが示唆された。 新潟大学医歯学総合病院矯正歯科にて矯正歯科治療を予定している成人患者11名を対象にパルスリープLS-120を用いた睡眠時呼吸機能評価を行った。2名については動的治療終了後にも同様に睡眠時呼吸機能評価を行った。術前後において閉塞性睡眠時無呼吸の症状がみられたものはなく、術後にAHIの上昇は認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
呼吸器感染症内科の成人患者を対象とした研究は概ね予定通りに進行している。 矯正歯科治療患者についての研究は遅れている。これは睡眠時呼吸機能評価は自宅にて患者自身にデータ採得してもらうという性質上、鼻カニューレやSpO2プローブの脱離が問題となり、統計解析に十分なデータが得られづらいこと、研究開始初期に動的治療終了後の睡眠時呼吸機能評価後、検査機器パルスリープLS-120が返却されず、数度の督促にもかかわらず未だに返却されておらず、検査機器の不足が生じていることが主な原因である。
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今後の研究の推進方策 |
呼吸器感染症内科の成人患者を対象とした研究は引き続き計画通り進めていく。 矯正歯科治療患者についての研究は次年度予算も使用して検査機器パルスリープの追加購入を行う事も検討し、データ採得のペースを上げていこうと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度にパルスリープを追加購入することも検討しており、そのための予算として残した。 機器の返却がさらに遅れる場合、パルスリープを追加購入する。
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