研究課題/領域番号 |
17K12047
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
吉田 登志子 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (10304320)
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研究分担者 |
白井 肇 岡山大学, 大学病院, 講師 (00263591)
鳥井 康弘 岡山大学, 大学病院, 教授 (10188831)
鈴木 康司 岡山大学, 大学病院, 講師 (30304322) [辞退]
河野 隆幸 岡山大学, 大学病院, 助教 (80284074)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 臨床研修歯科医 / 医療面接 / 臨床研修 / 臨床経験 / JSE / RIAS / VR-CoDES |
研究実績の概要 |
患者中心の医療を実現するための足掛かりとして初診時医療面接が果たす役割は大きい。そこで歯科医師の第一歩としての臨床研修期間中に臨床経験を積むことによって、研修歯科医の初診時医療面接能力がどのように変化するかを検証するために本研究を実施した。 平成29年および30年度の研修歯科医、計64名を対象とした。研修開始時と修了時において共感性を測定する質問紙であるJefferson Scale of Empathy(JSE)に研修歯科医が回答した後、模擬患者(SP)との初診時医療面接を行った。SPおよび指導歯科医はそれぞれの評価票を用いて、医療面接時の研修歯科医を評価した。また、医療面接中の会話の内容はThe Rotor Method of Interaction Process Analysis System (RIAS)とVerona Coding Definitions of Emotional Sequences (VR-CoDES)を用いて分析した。 その結果、研修開始時と修了時におけるJSEの合計点には有意差を認めなかった。また、SPおよび指導歯科医評価の合計点においても有意差を認めなかった。RIASによる医療面接の会話内容の分析においては、研修修了時は開始時と比較して研修歯科医の情緒的表現および医学的状態、心理社会的な情報収集に関する会話が有意に減少した。しかしながら、歯科医学的状態の情報収集に関する発話は有意に増加した。VR-CoDESによる分析では、研修修了時の医療面接におけるSPからの不安や心配の表出は開始時と比較して有意に減少した。また研修開始時の研修歯科医はSPからの不安に対して話を促進する対応を多用していた。 以上より、1年間の初期研修における研修歯科医の共感性には変化はなく、診断のための歯科医学的な情報収集に集中するような医療面接に変化していることが示唆された。
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