研究課題/領域番号 |
17K12048
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
高野 栄之 徳島大学, 病院, 特任助教 (30380091)
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研究分担者 |
寺田 賢治 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (40274261)
桃田 幸弘 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 講師 (00304543)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 個人識別 / 歯科所見 / 画像解析 / 大規模災害 |
研究実績の概要 |
従来、身元確認作業には歯の保存性と個人識別能の高さから歯の所見が重用されてきた。先の東日本大震災でも多いに有効であったが、多大な時間と労力を要した。近年発生が危惧されている南海トラフ大地震では犠牲者が約20倍となる可能性があり、従来の方法では身元確認が大幅に遅延してしまう可能性が高い。本研究はこの問題に対応するため口腔内写真から画像解析により自動的にデンタルチャートの生成を試みている。 上下顎咬合面画像をパーソナルコンピュータに取り込んだのち、①歯領域の抽出:両側最後方歯と最前方歯の4点をクリックにより定め、HSV平均値をもとにラベリングを行いノイズを除去したのちクリック位置を曲線で結び歯領域を抽出した。②歯の判別:極座標変換による歯領域の平面変換とバイキュービック法による画素補間を行ったのち境界追跡により凹みを探索し個歯を分割した。③歯の状態判別:金属補綴、欠損、齲歯などの状態をヒストグラム・エッジ・面積などの項目を用いて判別した。④デンタルチャートを出力した。 上記処理による基本アプリケーションを作成し、健康ボラン100名の口腔内写真からデンタルチャートを作成した。認識正答率は90%以上である。 今後、所見パターン解析やアプリケーション改良を加え更に認識度を上げるとともに、自動処理をすすめ、最少の手順による自動デンタルチャート作成アプリケーションを開発する。 口腔内写真は日常診療でも多く撮影されているため、同写真と本アプリケーションの利用によって大災害時の身元確認作業を大幅に迅速・簡便化できると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
口腔内デジタル写真からのデンタルチャート作成研究を着実に行っている。2017年度、成果の一部を国内学会で発表を行った。2018年度も学会発表を予定している。また、その成果論文も作成中である。
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今後の研究の推進方策 |
研究はおおむね順調に進展しているため、引き続き各研究を進めていく。解析症例を追加し、様々な所見に対し認識パラメータを調整していく。また、災害時のご遺体の口腔内状況は生体とは異なるため、検死検体からも資料を収集し、本アプリケーションによりデンタルチャートを作成できるようパラメータ調整などと行う。 また、デンタルチャートのデータベース化も行う。、厚生労働省「歯科診療情報の標準化に関する検討会」によって策定された「身 元確認に資する歯科情報の標準データセット」およびInterpol 形式、ADA 規格でデータ化しサーバ上に構築したデータベースに格納する。このことによって生体と遺体のデンタルチャート照合が行えるようになる。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度購入予定であったノートパソコン等が予定より安価で購入可能であった、また格安パックを利用することができたため次年度使用額が生じた。平成30年度は設備備品としてデータベースサーバ用のタワー型パソコンを購入する予定である。3回の国内発表、1回の海外発表を予定しているが、研究はおおむね順調に進んでいるため、これにとどまららず広く発表を行う予定である。
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