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2021 年度 実施状況報告書

歯科衛生士の生涯を通じた系統的保健指導と行動変容のコンピテンシー基盤教育法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K12057
研究機関日本大学

研究代表者

岡本 康裕  日本大学, 松戸歯学部, 講師 (50434098)

研究分担者 大沢 聖子  日本大学, 松戸歯学部, 助教 (00152108)
後藤田 宏也  日本大学, 松戸歯学部, 准教授 (20307870)
伊藤 孝訓  日本大学, 松戸歯学部, 客員教授 (50176343)
青木 伸一郎  日本大学, 松戸歯学部, 講師 (60312047)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2023-03-31
キーワードコンピテンシー / 行動変容 / 教育プログラム / 教育評価 / 評価の基準化
研究実績の概要

本研究は歯科衛生士のモデルコアカリキュラムを踏まえ、歯科衛生士の最新の多様な教育形態(養成機関)と卒後教育における臨床教育についての実態調査と関連報告の解析をもとに研究を進め、系統的なコンピテンシー基盤型教育と患者の行動変容に関わる教育プログラム開発および基準づくりの提案を行うことに大きな特色がある。また生涯教育と研修を目的とした卒業後のコンピテンシー基盤型教育に関して、教育養成機関、地域の多職種(歯科医師、歯科技工士、医師、看護師)や様々な医療関連団体と連携し共同して開発する。それにより地域基盤型の地域包括ケアおよび多職種連携を重視した卒前と卒後の順序性を踏まえたeラーニングによる教育プログラムと対面式の臨床能力教育を組合せ、具体的な教育プログラムの構築と教育効果を明らかにすることを最終目的としている。本研究により卒前と卒後の研修で修得すべき順次性に基づく専門的臨床能力の関連性を明らかにし、社会から信頼される歯と口腔を専門とする健康推進の専門である歯科衛生士として、修得すべきコンピテンスと具体的な臨床能力基準の提示を目的とし、多様な教育形態の歯科衛生士養成機関に対応した、コンピテンシー基盤型教育プログラムと評価の開発および標準化の提案を目的とする。
そこで患者の行動変容に関わる教育プログラム開発として、歯科衛生士として修得すべきコンピテンシー基盤型教育プログラムの構築を進めるために、歯科衛生士教育を受けている学生に対して臨床現場での患者へ対する保健指導能力の修得を課題とした臨床能力評価試験に必要な項目の設定を行い、臨床実習前のコンピテンシー設定の検討、試験に向けての十分な対応能力が修得できるための教育システムとしてのシミュレーションを用いた教育の配置を行い、コンピテンシー内容および教育効果について分析を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

歯科衛生士教育の全領域の臨床教育から収集したデータの分析により、卒前・卒後および生涯教育・研修の教育プログラムと患者の行動変容に関わる評価項目の抽出、系統的(段階的、順次性)整理および解析を行った。本年度はその中から特に臨床能力評価に着目して検討を行った。具体的には、研究協力を依頼した歯科衛生士養成機関をモデルケースとして臨床能力評価試験に関わり分析中である。
そのなかで臨床能力スキルの評価と行動変容を促す教育効果の検証と分析を行うために、協力養成施設での学生を対象に評価とフィードバックを行い、そこから抽出された問題点とその対応策などを教育プログラムにフィードバックするために検討を行った。
しかし、今回対象としている課題が臨床現場での患者への対応を含む教育内容を課題としていることから、本年は新型コロナ感染拡大に伴う臨床現場での対面教育の大幅な自粛等により、開発や分析が進まない状況にあった。
そこで本年は歯科衛生士教育を受けている学生に対して臨床現場での患者へ対する保健指導能力の修得を課題とした臨床能力評価試験に必要な項目の設定や、試験に向けての十分な対応能力が修得できるための教育システムの構造の開発を中心に検討を進めた。現在、臨床現場での患者へ対する保健指導能力の修得を課題とした臨床能力評価試験として「患者とのコミュニケーション能力」「患者からの問題点の抽出」「問題点への対応のための判断」「適切な保健指導の提案の実施」を設定し、さらに試験に向けての十分な対応能力が修得できるための教育システムの開発として、臨床現場で必要な患者対応能力の修得へ向けた教育内容としてシミュレーション教育の実施の配置を行い、学生に対してその教育効果の調査を行い教育内容の評価を進めている。

今後の研究の推進方策

次年度においては、臨床能力評価法の引き続き再検討と歯科衛生士の臨床能力評価の基準づくりと標準化が到達することが目標である。具体的には形成評価と総括評価の組合せた評価法を踏まえ、課題の妥当性と課題全体との整合性を鑑みながら、人的資源、場所、時間およびコストなどを考慮した最も効果的で適切な試験の項目内容の設定、形式および方法の検討を進める。
また同時に、当初の計画予定である多様な教育形態である本邦の歯科衛生士養成機関に対応した、患者の行動変容を促すコンピテンシー基盤型教育プログラムの開発を、現在の社会状況(新型コロナ感染拡大に伴う対面教育の大幅な自粛等)を踏まえ、多様な教育方法に対応した系統性(順次性)と検証した患者の行動変容の分析結果を包括しながら、適切な教育プログラムの検討予定である。
現在進行中であるが客観敵技能試験の分析にあたり、本年度は新型コロナ感染拡大に伴う対面教育の大幅な自粛等により、一部の臨床能力評価の分析のみ検討のみしか行えなかった。次年度は臨床現場での患者へ対する保健指導能力の修得を課題とした臨床能力評価試験として設定した「患者とのコミュニケーション能力」「患者からの問題点の抽出」「問題点への対応のための判断」「適切な保健指導の提案の実施」課題に対する教育システムして計画したシミュレーション教育についての教育効果の分析を進めていく予定である。具体的には昨今の学生に危惧されるコミュニケーション能力を中心に、学生に対しての教育効果や学生の臨床現場への対応認識を確認するために、「シミュレーション学修前の学生」「シミュレーション学修後の学生」「臨床現場体験後の学生」に対して臨床現場への認識に対する意識調査やポートフォリオの振り返り内容の分析を進め、臨床実習前のコンピテンシーの設定や学生に対する教育効果の評価分析を進めていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

〔理由〕新型コロナ感染拡大に伴う対面教育の大幅な自粛等により、一部の臨床能力評価の分析のみ検討のみしか行えず、研究の分析報告に遅れが発生している。さらに本研究では学習者の能力評価の基準づくりと標準を目的としていることから、研究を進める過程で昨今多く行われるようになったシミュレーション体験による学習効果を分析対象として追加した。さらに、本年までに行った単一の養成機関から臨床能力評価試験の検討を複数校に広げ、さらに引き続き臨床能力評価の検討を複数教育機関に広げる作業を押しすすめる計画としたことにより、研究の分析に遅れが発生しさまざまな成果報告に関する経費の使用に遅れが発生したことにより次年度の研究費の使用が生じた。
〔使用計画〕本年得られるデータを追加し、すでに得ているデータの分析を進め、具体的にまとまった内容については随時、雑誌論文・学会発表(日本歯科医学教育学会、日本総合歯科学会、日大口腔科学会)に報告を行う際に英文校正費用等として使用する予定である。
また、並行して我が国の歯科衛生士の卒前・卒後および生涯教育・研修での実態調査・ 保健指導系教育と患者の行動変容の促進に関わる評価の調査を進めるために、(現在の社会状況では、学会、研究集会への参加に制限があるが)調査費として使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 歯科学生自身による患者付き添い実習の自己評価に影響を及ぼす要因-ソーシャルスキル,自己効力感,共感の影響-2021

    • 著者名/発表者名
      大沢聖子,多田充裕,内田貴之,青木伸一郎,岡本康裕,遠藤弘康,梶本真澄,桃原 直,岩橋 諒,吉野亜州香,伊藤孝訓
    • 雑誌名

      日大口腔科学

      巻: 47(3) ページ: 161-170

    • 査読あり

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公開日: 2022-12-28  

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