研究実績の概要 |
本研究は唾液腺の老化における唾液分泌障害に対するDEC1の関与を検討することとした。生後3ヵ月齢、24ヵ月齢のC57BL6およびDEC1ノックアウトマウスの唾液腺(顎下腺・舌下腺)を採取し、RNAおよびタンパクを抽出した。採取した唾液腺組織からRNAをmiRNeasy Mini Kit (Qiagen) を用いて抽出し、DNAマイクロアレイおよびmiRNAマイクロアレイを用いて網羅的遺伝子発現解析[GeneSpring解析ソフト(Agilent)]を行った。さらに、マイクロアレイで得られたデータはIPA (Ingenuity Pathway Analysis)解析から予測される生物学的過程、転写経路およびネットワークの探索を行った。遺伝子(S100A8, AQP5, MUC7, MUC7, HIN3, STATH, MYB, NFIB等) およびmiRNA (miR-15a, miR-21, miR-Let7c, miR-143, miR-146b, miR-150, miR-378a) が候補 遺伝子およびmiRNAとして同定された。特異的TaqMan®プローブを用いてQuantStudio 6 Flexリアルタイム PCR システム(Applied Biosystems)によりmRNAおよびmiRNAの定量化した。また、ウェスタンブロッティング法によるタンパク質の検討は、ImageQuant Las 4000 Miniで観察した。DNAマイクロアレイ解析により同定された遺伝子(MUC, AQP5等)の免疫組織化学染色を行った。老化モデルマウスの唾液腺を用いて網羅的遺伝子発現解析及びmicroRNA発現解析により、唾液腺の老化のメカニズムを明らかにした。
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