研究課題/領域番号 |
17K12062
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
岡本 亜祐子 日本歯科大学, 生命歯学部, 助教 (20779920)
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研究分担者 |
苅部 洋行 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (50234000)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 嘔吐反射 / 歯科不安 / つぼ刺激 / 嗅覚刺激 |
研究実績の概要 |
平成30年度は、平成29年度で確立した嘔吐反射発現の評価法(嘔吐反射評価指標とストレス評価指標)が十分な信頼性および再現性の高い方法であることを、96 th General Session and Exhibition of the IADRにてポスター発表を行った。さらに、Journal of Oral Rehabilitation 45(10): 798-804, 2018.(doi:10.1111/joor.12687.)に "Reliability, validity, and sex differences in a quantitative gag reflex measurement method"として論文を発表した。また、Journal of Oral Rehabilitation 45(10)の表紙には、本論文の研究内容がCover Imageとして採用された。 嘔吐反射の緩和に有効な介入方法を検討するため、視覚素材(ビデオ)、聴覚素材(音楽)、触覚素材(経穴とストレスボール)、嗅覚刺激(アロマ)介入時の嘔吐反射指標を測定し、プラセボ群と比較するための予備的研究を行った。被験者6名の予備的研究では、視覚刺激にポジティブ動画とネガティブ動画を用いたが、嘔吐反射評価指標に刺激前後での有意差は認められなかった。聴覚刺激では、被験者の好む音楽を用いたところ、6名中2名で嘔吐反射評価指標にやや変化がみられたものの、他の4名では刺激前後での有意差は認められなかった。一方、触覚刺激(ストレスボール)と嗅覚刺激(アロマ)では、刺激前と比較して刺激後の嘔吐反射評価指標に有意な変化が認められた。また、嘔吐反射に関する質問票として使用するGagging Assessment Scale日本語版の作成と妥当性を検討し、嘔吐反射の自己評価スケールとして使用することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の研究計画では平成29年度は嘔吐反射の計測方法を確立し、嘔吐反射の緩和に最も有効な介入方法を検証する予定であったが、介入方法に嗅覚刺激と触覚刺激(ストレスボール)を加えることとし、平成30年度はその条件等を予備的研究で検討していたため、本来の計画からやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
平成31年度は介入の種類と条件を決定し、今まで確立してきた研究方法で被験者を募り計測を行っていく。コントロール、素材による介入、プラセボによる介 入、ポジティブコントロールの4群で比較検討し、嘔吐反射への介入効果を評価する。 研究結果は国内と海外の学会で発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画が当初予定よりやや遅れているため次年度使用額が生じている。 平成31年度では予備的研究の結果を踏まえてデータの収集を進めてゆき、助成金は被験者への謝金および研究成果の発表と論文投稿に使用する予定である。
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