最終年度である令和4年度は、令和3年度までに行っている嘔吐反射の緩和に有効な介入方法と考えられる嗅覚(ペパーミントアロマ)の刺激についての分析結果を取り纏め、2022 IADR/APR General Session (Virtual)および日本小児歯科学会第37回関東地方会大会にて口頭発表を行った。さらに、ポジティブコントロールとして介入した笑気吸入鎮静法とペパーミントアロマを比較した詳細な分析結果について、第50回日本歯科麻酔学会にてポスター発表で報告した。 歯科治療時の嘔吐反射を抑制する新しいリラクセーション法を検討する本研究では、平成29年度に嘔吐反射の評価方法を検討し予備的研究を経てその評価法を確立し、平成30年度に学会発表および論文投稿を行った。この評価法を嘔吐反射指標とし、嘔吐反射の緩和に有効な介入方法を検討するため、視覚・聴覚など数種類の介入時の嘔吐反射指標を測定しプラセボ群と比較するための予備的研究を行ったところ、触覚刺激(経穴刺激とストレスボール)および嗅覚刺激(アロマ)で嘔吐反射指標に有意な変化を認めたため、この2つを介入群とし研究を進めることとした。令和元年度は2つの介入に加えポジティブコントロールとして笑気吸入鎮静法を入れた研究プロトコールを作成し、協力者を募集しデータ収集を行った。令和2年度および令和3年度も引き続きデータ収集を行ったが、コロナウイルス感染拡大の影響により協力者の募集が難航した。 現在までの研究内容成果については論文執筆・雑誌投稿準備を進めている。
|