研究課題/領域番号 |
17K12063
|
研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
苅部 洋行 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (50234000)
|
研究分担者 |
大久保 善朗 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20213663)
舘野 周 日本医科大学, 医学部, 准教授 (50297917)
肥田 道彦 日本医科大学, 医学部, 講師 (60434130)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 歯科恐怖 / 脳神経メカニズム / fMRI / 聴覚刺激 |
研究実績の概要 |
1)脳活動と自律神経系活動の記録方法の構築 fMRI撮像と同時記録できる皮膚電気活動と指尖容積脈波振幅を指標とする自律神経系活動の記録方法を構築した。実験設備を整備することによって6回の実験を行い、MRI検査室内におけるデータ採取体制を整備した。 2)歯科聴覚刺激の新規課題に対する脳活動 歯科臨床の場において、歯科恐怖症患者に対する対応法は多種多様である。治療中の聴覚刺激などの不快刺激を軽減するための方策としてはカウント法が頻用されている。しかし、歯科聴覚刺激に対する脳活動の観点から、その効果を検討した研究はみられない。そこで、歯科治療時の不快な聴覚刺激を素材とした心理課題を新たに作成し、課題遂行中の脳活動をfMRIにて評価することとした。これらの課題を遂行するための予備実験を行い、MRI検査室内におけるデータ採取体制の整備を行った。 3)歯科医師への信頼度と健康関連QOLとの関連性 歯科恐怖には歯科用タービンなどの歯科器材に対する恐怖のほかに、歯科医師への信頼性が大きく関与している。そこで、健康成人を対象として、歯科医師への信頼度を評価し、歯科恐怖、特性不安、健康関連QOLとの関連性を調査した。その結果、健康成人において、特性不安は歯科医師への信頼度に影響を与えないものの、健康関連QOLにおける精神の健康に関する項目は、歯科医師への否定的な態度と関連することを明らかにした。これらの研究成果は日本心身医学会にて発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
fMRI撮像と同時記録できる自律神経系活動の記録方法を導入し、fMRI実験施設の整備を行った。
|
今後の研究の推進方策 |
従来の課題に加えて、カウント法の効用についても脳活動と自律神経活動の観点から、検証を行っていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度は新規課題を含む予備的研究に時間を費やしたため、被験者に対する撮像はなされなかった。よって、設備使用料の支出が少なく抑えられたため、その分を次年度のMRI設備使用料に支出することとした。
|