研究課題/領域番号 |
17K12064
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
亀田 剛 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 講師 (30277610)
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研究分担者 |
池田 富士雄 長岡工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (30353337)
工藤 慈 長岡工業高等専門学校, 機械工学科, 助教 (60756584)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | オーラルフレイル / 開口筋 / 閉口筋 / 嚥下 / 支援機器 / 健康寿命 / 予防 |
研究実績の概要 |
研究実績の概要:平成29年度の目標は、本研究で開発する咬合支援ロボットに組み込む駆動装置のメカニズムの完成にある。当初は、機械的なメカニズムのみで研究開発を行っており、既存の部材と3Dプリンターにて作製した部材を用いて、2種類の試作を行い駆動させた。しかし、十分な結果を得ることはできなかった(平成29年10月19-20日、日本矯正歯科学会(札幌市)にて発表)。その結果から、本支援ロボットを駆動させ、オーラルフレイルの予防に寄与させるためには設計の変更が必要であることが判明した。そこで、①閉口状態から安静空隙までの開口運動を邪魔しないこと、②安静空隙を超えた開口については軽い負荷により嚥下に関係する舌骨上筋群のトレーニングになること、③閉口運動については本トレーニングを続けやすいように電気的なメカニズムにより数~数10%程度アシストすること、の3つの要件を満たす設計に変更し、研究開発の方向転換を図った。そのため、当初の予算に、次年度よりその予算の一部を前倒した(1,950千円(直接経費:1,500千円, 間接経費:450千円))。これにより、カスタムメイドの部品等を組み込むことができ、咬合支援を行う駆動装置を数種類作製した。これにより29年度内にメカニズムそのものについては完成させることができた。そこで、30年度には、各用途(①開口筋トレーニングのみ、②開口筋トレーニング+閉口アシスト、③閉口アシストのみ)に適応できるように細かい条件を改善した駆動装置を完成させ、それを組み込んだ支援ロボットを作製し、装着による実際とその問題点の洗い出しを行い、改良し、最終的な試作ロボットを完成させる。当初、30年度に行う予定であった動作のスイッチングシステムについては、すでに29年度の試作でほぼ完成しており、すぐにテストに入れる状態にある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
早い段階で機械的メカニズムを用いた駆動装置を試作・テストし、その結果から方向転換し、さらに、予算を早期に前倒したために、平成29年度中に新しい開発に着手でき、30年度に完成させる予定のスイッチングシステムも完成できたため、30年度は、各用途(①開口筋トレーニングのみ、②開口筋トレーニング+閉口アシスト、③閉口アシストのみ)に適応できるように細かい条件を改善した駆動装置を完成させる。その後、その駆動装置を組み込んだ支援ロボットを作製し、装着による実際とその問題点の洗い出しを行い、改良し、最終的な試作ロボットを完成させる。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度前半には、29年度に試作完了している電気的なメカニズムによるスイッチングシステムを組み込んだ動作システムを各用途に適応できるようにさらに進化させ、それを咬合支援ロボットに適応させる。30年度後半からは、実験参加者ではない研究関係者が装着して、装置動作時の顎の動きや筋肉の状態を計測・解析する予定である。装着し駆動させたその結果から、装置の問題点の洗い出しと改良を行い、完成度を高めていく予定である。そして、最終的な試作ロボットを30年度中に完成させる予定である。31年度には、その完成した試作ロボットを実験参加者約20名に装着し、その動作特性や効果(筋電位測定によるトレーニング量や咬合力のサポート量、唾液量、唾液アミラーゼ活性など)を検証していく予定である。また、その使用感について、装着者にアンケートを行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該助成金は、より使用目的に合った駆動メカニズムの開発を行うために平成30年度の助成金を前倒ししたが、駆動メカニズムの開発がスムーズに行えたため、当該助成金が生じた。本当該助成金と翌年度分の助成金を合わせた使用計画としては、平成29年度に試作完了している電気的なメカニズムによるスイッチングシステムを組み込んだ動作システムをさらに各用途に適応できるようにさらに進化させることにある。この際、各部品を精査し、動作確認を行いながら最適な組み合わせを見つけていく。30年度後半からは、実験参加者ではない研究関係者が装着して、装置動作時の顎の動きや筋肉の状態を計測・解析する予定である。装着し駆動させたその結果から、装置の問題点の洗い出しと改良を行い、完成度を高めていき、最終的な試作ロボットを30年度中に完成させる予定である。
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