研究課題/領域番号 |
17K12065
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
田中 聖至 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 准教授 (00350166)
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研究分担者 |
関本 恒夫 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 特任教授 (40095170)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 眼球運動 / 光イメージング脳機能測定 |
研究実績の概要 |
我々は先行研究で、視覚素材(パノラマエックス線写真)からの視知覚情報入力に際し、サッケードが少なく停留点主体で時計回りの眼球運動パターンが効率的なパターンであることを発見した。臨床実習前後の病院実習生の眼球運動の変化に関する研究の結果においても、サッケード主体から停留点主体の眼球運動パターンへと変化した学生は、検出項目数が増加していた。 また、異なる視覚素材提示方法(反射光下、透過光下)においても時計回りの情報探索パターンが効率的に視知覚情報を得ているのに対し、反時計回りやサッケード主体の情報探索パターンでは逆の結果を示していた。今回、さらに詳細に検討したところ、透過光下で視覚素材を観察したグループでは、反射光下での視覚素材観察グル―プと比べ、停留点と注視時間の割合が多い傾向にあった。低得点者はサッケード主体で移動速度の速い眼球運動で情報を探索していた。この結果は第37回日本歯科医学教育学会総会および学術大会において発表した。 サッケード主体の情報探索パターンを示す眼球運動を有する学生は、視覚素材から殆ど情報を入力できていないことが明らかとなっている(投稿中)。視覚素材から情報を得る眼球運動は探索眼球運動と呼ばれ、探索眼球運動における停留点やサッケードの減少は主体性や自発性の低下を表す。現在瞳孔径の変化で自律神経の変化を分析中である。また、視覚情報探索時にどこに目を向けるか?の判断には前頭葉の前頭眼野において決定されるため、停留点、サッケードが極端に少ない学生は前頭葉の活動低下が起きている可能性があると考えられる。そこで我々は、光イメージング脳機能測定装置を用いて現在眼球運動時の前頭葉機能を測定中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Talk Eye Lite のゴーグルとNIRsの8ch部が干渉するため。現在ゴーグルを改良中。
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今後の研究の推進方策 |
Talk Eye Free(非接触タイプ)での計測は現在可能であるため、干渉が除去不可能な場合、眼球運動測定装置の変更も視野に入れる。 こめかみ上部のセンサーに干渉しなければ、Talk Eye Liteでも計測可能なため、被験者のカテゴリーを病院実習生から拡大することで、計測データの増加を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
NIRSとTalk Eye Lite の干渉除去作業が難航したため、予定していた論文投稿を行えなかったことと、実験数の低下により消耗品を新たに購入する必要が生じなかったため。 器機の干渉除去の業者によるサポート費用に生じた次年度使用額を充てる。
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