研究課題/領域番号 |
17K12069
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
梅本 丈二 福岡大学, 医学部, 准教授 (30320287)
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研究分担者 |
藤岡 伸助 福岡大学, 医学部, 講師 (20735584)
坪井 義夫 福岡大学, 医学部, 教授 (90291822)
古谷 博和 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (60253415)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 神経筋疾患 / 栄養障害 / 嚥下障害 |
研究実績の概要 |
2020年度はコロナ禍の影響により、二重標識水法を用いた消費エネルギー量の算出に参加する対象患者を追加することができず、当初予定していたデータの追加と統計学的な分析ができていない。そこで、神経筋疾患の嚥下障害が栄養障害に及ぼす影響について、基礎的なデータについて後ろ向きに調査を行った。 パーキンソン病(PD)患者の体重減少には様々な要因が影響している。そこで、治療内容別に嚥下障害と体重減少率の関連を検討した。対象は、2011年以降に福岡大学病院で嚥下造影検査を受けたPD患者のうち、同院脳神経内科で2年以上の経過観察ができた63例(男性30例、女性33例、平均年齢66.2±8.7歳、平均BMI 22.4±3.8kg/m2)とした。診療録から、発症年齢と罹病期間、治療内容、嚥下障害スコア、体重の変動などについて後ろ向きに分析した。 その結果、発症年齢が高く(R=-0.299、p=0.02)、罹病期間が短く(R=0.348、p=0.01)、嚥下障害が重度である(R=-0.291、p=0.02)ほど、1年あたりの体重減少率が高い傾向が認められた。デバイス補助療法、特にDBS治療を受けたPD患者は、薬物療法単独に比べ、罹病期間が長いにも関わらず、嚥下障害が軽度で、体重減少率が少ない傾向にあった(p<0.05)。したがって、PD患者に対しては、嚥下障害の評価だけでなく栄養摂取量も定期的に評価し、体重変化をモニタリングする必要があることが示唆された。うつ症状、嗅覚低下、認知障害、消化管での吸収障害などの他、デバイス補助療法の導入も体重変化に影響を与える可能性があり、体重減の原因を検討して栄養指導を行う必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度はコロナ禍の影響により、二重標識水法を用いた消費エネルギー量の算出に参加する対象患者を追加することができず、当初予定していたデータの追加と統計学的な分析ができていない。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍が落ち着き次第、二重標識水法を用いた消費エネルギー量の算出に参加する対象患者を追加し、これまでのデータと合わせて統計学的な分析を行い、結果を公表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響により、本来2020年度に予定していたデータの追加と分析が行われず、学会参加と発表の機会減に伴い、旅費としての出費もなかった。 予定していた使用額は2021年度に持ち越し使用する予定である。
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