入院加療に起因するオーラル・フレイルの包括的スクリーニング指標の開発と基礎研究

2019 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 17K12071
• 研究機関: 神奈川歯科大学短期大学部
• 研究代表者: 星野 由美 神奈川歯科大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (60457314)
• 研究分担者: 棚橋 泰之 神奈川歯科大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (10560237) ; 中道 敦子 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (20567341) ; 飯田 貴俊 神奈川歯科大学, 大学院歯学研究科, 講師 (20747787) ; 関端 麻美 神奈川歯科大学短期大学部, その他部局等, 助教 (20795463) ; 溝部 潤子 九州歯科大学, 歯学部, 特別研修員 (40530738) ; 吉本 夢 神奈川歯科大学短期大学部, その他部局等, 助教 (50795440) ; 片岡 あい子 神奈川歯科大学短期大学部, その他部局等, 講師 (30413149)
• 研究期間 (年度): 2017-04-01 – 2020-03-31
• キーワード: 入院患者 / オーラル・フレイル / 健康イベント参加者 / 低舌圧 / 低栄養 / 長期SPT患者

研究実績の概要

2019年度は，オーラル・フレイルに関する実態調査を65歳以上の長期SPT患者、地域の健康イベントの参加者ならびに入院患者を対象に行い、身体機能測定、口腔診査、口腔機能および生活状況の等の調査をした。BMIの目標範囲に満たないものがSPT患者80％、健康イベント参加者16.7％、入院患者57.1％であり、低栄養が疑われた。口腔機能においては、３つの被験者間で、最大舌圧を比較したところ、入院患者（30.3±3.5kPa）、健康イベント参加者（28.8±7.6kPa）SPT患者(26.9±9.2kPa)であり、30kPa未満の低舌圧の者が入院患者33.3％、健康イベント参加者54.6％、SPT患者で65.2％であり、SPT患者の21.7％は20kPa未満であった。残存歯数は、SPT患者25.5±4.8歯、健康イベント参加者24.3±8.6歯、入院患者4.8±2.1歯であった。SPT患者において、口腔機能に関する項目は対象者の半数以上の者が機能低下に該当する結果であった。
高齢者においてＳＰＴで受診した際に、歯科衛生士が歯周病の変化に加えて体重、生活環境の変化、口唇の閉鎖などに視点を向けることで早期に介入することができると思われた。長期SPT患者のオーラル・フレイルの実態調査の結果については、2019年9月に学会発表を行った。
これらの調査結果に基づいて、入院患者のオーラル・フレイルのアセスメントの課題や対応について検討し、オーラル・フレイルの包括的スクリーニング指標の開発を進めた。

研究成果

• [雑誌論文] 専門基礎科目「社会保障制度の実際」におけるフィールドワークを主体とした教育の取り組み (2020)
  • 著者名/発表者名: 棚橋泰之、久保木由美
  • 雑誌名: 神奈川歯科大学短期大学部紀要 巻: 7 ページ: 39-42
  • 査読あり
• [雑誌論文] 栄養指導の授業による歯科衛生学科学生の生活習慣行動変容に関する研究(第3報) (2020)
  • 著者名/発表者名: 片岡あい子, 井出桃, 西村康, 阿部智子, 角田晃, 藤野富久江, 長谷徹
  • 雑誌名: 神奈川歯科大学短期大学部紀要 巻: 7 ページ: 7-13
  • 査読あり
• [雑誌論文] 各種イオン徐放性フィラー含有バーニッシュ塗布面直下の歯根象牙質脱灰抑制能 (2019)
  • 著者名/発表者名: 片岡あい子, 椎谷亨, 富山潔, 藤野富久江, 向井義晴
  • 雑誌名: 日本歯科保存学雑誌 巻: 62 ページ: 115-123
  • 査読あり
• [雑誌論文] BMP-3ｂが担う骨格筋再生機構の解明 (2019)
  • 著者名/発表者名: 古株彰一郎・宮脇有希・William N.Addison・松原琢磨・中道敦子
  • 雑誌名: MSD 巻: 45 ページ: 74-76
  • 査読あり
• [雑誌論文] 福祉の現場から BMP-3bは骨格筋の再生を制御する (2019)
  • 著者名/発表者名: 古株彰一郎・宮脇有希・William N.Addison・松原琢磨・中道敦子
  • 雑誌名: 地域ケアリング 巻: 21 ページ: 80-82
  • 査読あり
• [雑誌論文] 「見直そう！感染予防対策」 (2019)
  • 著者名/発表者名: 溝部潤子
  • 雑誌名: 滋賀県歯科医師会雑誌 巻: 7 ページ: 63-68
• [雑誌論文] 歯周病安定期治療（ＳＰＴ）受診者のオーラルフレイルの考察―スクリーニング法構築にむけてー (2019)
  • 著者名/発表者名: 溝部潤子、星野由美、中道敦子
  • 雑誌名: 日本歯科衛生学会雑誌 巻: 14 ページ: 129-129
  • 査読あり
• [学会発表] オーラル・フレイル(口の虚弱)の予防できていますか？ (2020)
  • 著者名/発表者名: 星野由美
  • 学会等名: シニアジムP＋健康講座
  • 招待講演
• [学会発表] 口腔咽頭吸引 (2020)
  • 著者名/発表者名: 星野由美
  • 学会等名: 神奈川県歯科医師会令和元年度歯科衛生士のための口腔咽頭吸引に関する研修会
  • 招待講演
• [学会発表] 歯周病安定期治療(SPT)受診者のオーラルフレイルの考察 スクリーニング法構築にむけて (2019)
  • 著者名/発表者名: 溝部潤子、星野由美、中道敦子
  • 学会等名: 日本歯科衛生学会第14回学術大会
• [学会発表] 災害歯科保健医療研修における演習ツールの作成とその評価 (2019)
  • 著者名/発表者名: 中久木康一, 久保山裕子, 安田昌代, 星野由美, 武井典子
  • 学会等名: 第68回日本口腔衛生学会・総会
• [学会発表] 舌機能障害体験用マウスピースを用いた口腔期摂食嚥下障害および構音障害体験実習プログラムの開発 (2019)
  • 著者名/発表者名: 飯田貴俊
  • 学会等名: 第38回日本歯科医学教育学会総会および学術大会
• [学会発表] 舌機能障害体験用マウスピースを用いたリクライニング代償姿勢体験実習－歯学部生への応用－ (2019)
  • 著者名/発表者名: 飯田貴俊, 林恵美, 高城大輔, 田中洋平, 杉山俊太郎, 西﨑仁美, 辰野雄一, 森本佳成
  • 学会等名: 第25回日本摂食嚥下リハビリテーション学会学術大会
• [学会発表] 歯科衛生ケアプロセスの基礎－歯周病編― (2019)
  • 著者名/発表者名: 溝部潤子
  • 学会等名: 平成3０年度三重県歯科衛生士会生涯研修会・日本歯科衛生士会生涯研修
  • 招待講演
• [図書] よき歯科医療人になるための倫理・プロフェッショナリズム教育プロフェッションワークブック (2019)
  • 著者名/発表者名: 木尾哲朗, 浅沼直樹, 尾﨑哲則, 樫則章, 角忠輝, 長谷由紀子, 平田創一郎, 星野由美, 山本龍生, 和田尚久
  • 総ページ数: 88
  • 出版者: 医歯薬出版
• [図書] 訪問歯科診療プランニングの極意－エキスパートたちの実例でみる、摂食嚥下をめぐる諸問題解決の糸口－ (2019)
  • 著者名/発表者名: 飯田貴俊
  • 総ページ数: 113
  • 出版者: クインテッセンス出版
• [図書] こうすればうまくいく在宅緩和ケアハンドブック. 第3版 (2019)
  • 著者名/発表者名: 飯田貴俊, 岩渕博史
  • 総ページ数: 420
  • 出版者: 中外医学社