研究課題/領域番号 |
17K12073
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
工藤 由紀子 秋田大学, 医学系研究科, 講師 (20323157)
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研究分担者 |
佐々木 真紀子 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (40289765)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ハンドマッサージ / 手浴 / 睡眠 / 自律神経活動 / リラクセーション |
研究実績の概要 |
平成29年度に検討したプロトコールをもとに、平成30年度はハンドマッサージ浴を介入としたクロスオーバー試験を実施した。その結果は以下のとおりである。 1.分析対象は28名、平均年齢77.8±6.8歳、睡眠障害の有無を示すPSQIスコアは9.2±2.9点であった。2.アクチグラフを用いた睡眠の比較では、睡眠効率で介入日の方が有意に高く(P<0.05)、睡眠潜時で介入日の方が有意に短くなっていた(P<0.05)。アクチグラフのその他の項目は差がなかった。3.OSA-MA版による主観的睡眠感の比較では、起床時眠気(P<0.01)、入眠と睡眠維持(P<0.001)、夢み(P<0.01)、疲労回復(P<0.01)の4項目で介入日の方が高かった。4.自律神経活動では、介入後にHRTが低下し(P<0.01)、SDNN、RMSSD、HF、LF/HFでは差がなかった。5.自作のVASによる主観的快適感、およびリラクセーションを示すREスケールすべての項目において、介入後の方が高かった(P<0.001)。6.年齢を調整した自律神経活動と主観的快適感の関連では、VASの「眠い」とRMSSD(r=0.436、p<0.05)およびHF(r=0.509、p<0.01)で有意な正の相関、REスケール「体に力が入っていた-体の力がぬけていた」とHF(r=0.412、p<0.05)で有意な正の相関、REスケール「不安であった-安心していた」とHRT(r=-0.404、p<0.05)で有意な負の相関があった。 以上のことから、睡眠に変調を来たした高齢女性に夕方に実施するハンドマッサージ浴は、睡眠の効率を良くし、寝つきを良くし、主観的睡眠感と快適感を向上させる効果がある可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画どおりにデータ収集を終了でき、論文を作成した。
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今後の研究の推進方策 |
英語で論文を作成し、論文掲載に向けて投稿する。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ収集補助者が不要となったため。 使用計画:英文投稿のための翻訳・校正・オープンアクセス代に充てる。
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