本研究は、認知症患者への看護実践がいかに成り立っているのかを、看護師がどのようにして認知症患者と関係しているのか、看護師がどのようにして患者を理解しているのか、という2つの視点から探求し、その構造を明らかにすることを目指し、看護師へのインタビューデータを当事者の視点から分析した。看護師は認知症患者に対して、認知症の診断によりはられたレッテルをはがし、その人の発信できないことをわずかなサインから探し出していた。また、看護師が認知症患者と同じベクトルの目線を持ちながら、その人の生活に入り込み、ゆっくりと丁寧に相手のことを理解していく様相が明らかになった。
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