研究課題/領域番号 |
17K12101
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
三木 研作 愛知医科大学, 看護学部, 教授 (10442534)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 顔認知 / 脳波 / N170 / 表情 / 経験 / トレーニング / おもてなし / P100 |
研究実績の概要 |
令和3年度にはまず海外雑誌に総説1編を掲載した。その内容は以下のとおりである。1.顔認知に関連した下側頭部の活動、2.顔認知における輪郭とパーツの影響、3.視線の方向に関連した脳活動、4.倒立顔効果から紐解く顔認知における左右半球の役割、5.輝度差などによって生じる初期視覚野の活動を抑制するランダムドットブリンキング刺激を用いた顔認知特異的脳活動の検討。 また、国内雑誌にも総説2編を掲載した。その内容は以下の通りである。1.顔認知に関連する脳活動、2.視線に対する脳活動、3.倒立顔効果と顔認知における左右半球の役割の違い、4.顔認知メカニズムの発達による変化、5.表情変化に対する脳活動の発達による変化。 最後に、原著論文を執筆し投稿中である。その内容は以下のとおりである。接客業にたずさわる21名の健常成人と携わったことのない19名の健常成人を対象にして表情認知を反映する脳波成分を検討した。提示した画像は、無表情の顔、笑った顔、怒った顔であった。それらの顔に対する好ましさに関する心理評価では、接客業にたずさわる人の方が、たずさわったことのない人に比べて好ましさに関して有意に低い点数をつけていた。また、顔認知を反映した脳波成分N170では、接客業にたずさわっている人と接客業にたずさわっていない人の間では、有意な差はみられなかった。接客業にたずさわる人は、相手の表情をシビアに読み取る可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ感染状況ならびに実験環境・実験プロトコールを鑑みて、現在被験者を募っての研究を自粛・中断しているため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、コロナ感染状況を鑑みて、被験者を募っての実験再開を試みる。その際には、実験環境(換気など)や実験プロトコール(できるだけ条件数を絞り、時間を短く行うことや、WEBによる心理評定等の検討をおこなことなどを考慮)を適宜変更して行うことを考える。状況によって実験が実施出来ない場合は、、平成30年~令和元年に行った表情を伴った顔を閾値下刺激によって提示した際の脳活動に関する取得済みのデータの解析を行っていき、論文発表につなげる。また、総説などの執筆も適宜行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ感染状況を鑑みた結果、実験の遂行が遅れて、そのために研究機関の延長を申し込んだため
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