視覚情報処理の初期段階を反映するP100と顔認知過程を反映するN170を用い、経験やトレーニングによるおもてなしの熟練が表情認知過程にもたらす変化を検討した。接客業に携わっている女性(おもてなし群)と接客業に関わったことのない女性(コントロール群)について、無表情の顔、笑った顔、怒った顔を提示した際のP100成分ならびにN170成分を比較検討した。左右後頭部に明瞭にみられたP100成分に関して、その最大振幅はコントロール群に比べおもてなし群で有意に大きくなっていた。これらの結果から、経験やトレーニングによるおもてなしの熟練が表情認知過程の早い段階に変化をもたらす可能性が示された。
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