研究課題/領域番号 |
17K12105
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
伊東 美佐江 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00335754)
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研究分担者 |
村上 京子 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (10294662)
戸部 郁代 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (20192908)
小野 聡子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (20610702)
松本 啓子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (70249556)
生田 奈美可 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (70403665)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 意思決定支援 / 患者の意向 / 家族 / 効力感 / 看護倫理 |
研究実績の概要 |
わが国の家族のあり様や人間関係も多様で、個別的なわが国独自の支援の方向性を探求する必要がある。本研究では、判断能力のある患者の意向に沿った家族の効力感をはぐくむ意思決定支援のための介入プログラムを開発することを目的とする。 カナダで、オタワ大学(カナダ)の看護学部教授、 Ottawa Hospital and Health Research Institute において、患者へのトランスレーショナルリサーチの研究主幹(Research Chair in Knowledge Translation to Patients)であり、意思決定支援に関する分野を国際的に牽引しているDawn Stacey博士らと随時連絡を取り合って進めている。今年度は、Ottawa Personal Decision Guide for TwoやSURE test等について、患者と家族を含めた医療における意思決定支援の実践に関する討議を重ねている。山口大学で開催した意思決定セミナーにて、臨床看護師とともに意見交換を行うことで、実際の参加者の経験も踏まえながら具体的な方策を考え、意思決定への家族の包含について示唆を得ている。 Sigma Theta Tau International, 29th International Nursing Research Congressに参加した。病院から療養場所の移行を迫られたがん患者の家族が、サポート家族の存在や医療者からの情報提供と声かけにより家で自分が看る決意を行っていた。療養場所が移行しても絶え間ない安心感の提供により、家で自分が看ることを肯定的に捉えることの支援につながることが示唆された。また、医療の意思決定プロセスにおける患者と家族の参加状況や意思決定能力のある患者における家族の代理決定に関するケアの介入や意思決定に影響する要因について知見を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者の所属の変更に伴い、研究組織体制を調整して進めている。「Ottawa意思決定支援概念」を基に、Ottawa Personal Decision Guide for TwoやSURE testの日本語版への翻訳と使用を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
Ottawa Personal Decision Guide for Twoを意思決定支援ツールとし、カウンセリングや意思決定コーチングを含む意思決定支援介入を検討している。データ収集を依頼する施設を複数で実施することも視野に入れて、各施設での調整を行っている。また、臨床看護師との意思決定支援における事例検討会や意思決定支援セミナーを開催する。また、意思決定支援の先駆的施設やアジア圏からの研究者等から資料収集し、介入プログラムとその評価指標を検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者の所属の移動に伴い、研究組織体制等の調整に時間を要したため、使用計画にも変更が生じた。本年に予定していたプリンター関連消耗品・文具類、本研究課題に関する意思決定支援や看護倫理、家族看護学等に関する書籍等物品費の購入を見送ったこと、研究の打ち合わせを対面で行う機会が少なかったことから旅費に未使用額が生じた。この未使用額について、平成31年度に計上したプリンター関連消耗品・文具類、書籍等の消耗品、打ち合わせ等に係る旅費と併せて使用する。
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