研究課題/領域番号 |
17K12106
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研究機関 | 日本赤十字九州国際看護大学 |
研究代表者 |
力武 由美 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 准教授 (70514082)
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研究分担者 |
柳井 圭子 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 教授 (60412764)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 社会正義 / 公平性 / 人権 / ケア / 敏感さ |
研究実績の概要 |
本研究の目的はフォレンジック看護哲学の体系を明らかにすることである。その第一段階として、平成29年度はフォレンジック看護哲学体系を構成するキー要素・概念を探求することを目的として、フォレンジック看護の創設者であるVirginia A. Lynch氏(米国)、Boston Collegeでフォレンジック精神看護教育に携わるAnn W. Burgess博士およびCarol Anne Marchetti博士(米国)、弁護士でUniversity of Pittsburgh准教授のRose E. Constantino博士(米国)、De Montfort Universityの死亡確認をめぐる哲学的研究の専門家Jane Rutty博士(イギリス)、University of Leicesterのフォレンジック病理学者のGuy Rutty博士(イギリス)、University of SalfordのGilligan Coligan博士(イギリス)に対してインタビュー調査を実施した。 現時点の成果としては、フォレンジック看護哲学のキー要素・概念として「社会正義(social justice)」「公平性(impartiality)」「人権(human rights)」「ケア(care)」「敏感さ(sensitivity)」が抽出された。 この成果は、平成30年10月に秋田で開催される日本フォレンジック看護学会、平成30年11月7-9日に東京で開催されるThe 3rd International Nursing Conferenceで発表する予定で準備を進めている。さらに、この成果は、日本フォレンジック看護学会誌および国際フォレンジック看護学会誌、The Journal of the International Nursing Philosophyに投稿する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の初年度の目的であるフォレンジック看護哲学体系を構成するキー要素・概念の一部が抽出できたため。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度の研究成果をもとに、フォレンジック看護哲学の構造を明らかにするために、Virginia A. Lynch氏がフォレンジック看護実践において絶大な信頼を寄せる実践者A氏および同氏が先達と仰ぐB氏を対象に、インタビューガイドの精度を高め、分析を深めることが可能な聞取り調査を実施し、Lynch氏とSkypeでデータ分析会議を持ち、2019年の国際フォレンジック看護学会でフォレンジック看護哲学の俯瞰図を示し、その学術的成果を問うことを予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
①分担研究者の初年度配分金の使用が予定より少なかったこと、②インタビュー調査の結果およびVirginia A. Lynch氏等の意見も聞いた上で、有益な文献を購入をしようとしたため文献注文自体が遅れたこと、③アメリカ(ボストン、コロラドスプリングス)で実施したインタビュー調査で支払われた研究協力者への謝礼金が、研究代表者で調査実施者が立替た状態になっていること、が理由である。 ①の点に関しては、研究分担者の平成30年度の海外出張費用に加えて使用する、②の点に関しては、未注文文献購入金額が、平成30年度文献購入予定金額に加えられての使用となる、③の点に関しては、平成30年度分研究費で研究代表者に支払われる予定である。
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