研究課題
2020年度に看護学生2、3年生の計25名、比較対象として看護師経験年数5年以上の熟練看護師各15名にモバイル型アイマークレコーダーEMR9を装着し、静止画像4枚を15秒ずつ観察してもらった。静止画像は、①居間に集う4名の家族、②玄関先で後ろをふりむき立っている高齢者、③酸素吸入・点滴・モニター心電図を装着した患者④術後直後で酸素吸入と点滴をした患者と付き添う家族である。さらに観察終了後に、覚えていること・印象に残っていることなどを記述してもらった。今年度は、①の静止画像は学生6名と熟練看護師7名、②の静止画像は学生14名と熟練看護師14名、③の静止画像は学生10名と熟練看護師8名の分析ができた。注視点(10分の1秒から0.5秒間に見られている場所)の15秒間における平均頻度は、①学生:26.8±6.6、専門看護師:30.7±5.0②学生:29.1± 5.6、 専門看護師:32.1± 6.0③学生:35.67±9.56、熟練看護師:43.3±4.1であった。また、注視点の移動方向の平均頻度は、①から③すべてに学生より熟練看護師のほうが左右への移動頻度が多かった。観察した内容の自由記述では、記述された内容を概念ごとに整理し、概念の個数をカウントしたところ、①学生16個、熟練看護師36個②学生21個、熟練看護師48個③学生21個、熟練看護師37個で、参考値であるものの熟練看護師の個数が多かった。以上の結果からとくに注目するのは観察後に認知していた概念の数であった。これには熟練看護師のほうが情報を多く取り入れていることであるが、これには周辺視野の活用に差があることが示唆された。未分析の④についても、今後分析をすすめていく。
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滋賀医科大学雑誌
巻: 32 (2) ページ: 12-19
10.14999/1521.00012839