研究課題/領域番号 |
17K12119
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
大池 美也子 国際医療福祉大学, 福岡看護学部, 教授 (80284579)
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研究分担者 |
道面 千恵子 九州大学, 医学研究院, 助教 (80363357)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 看護教員 / コンピテンシーモデル |
研究実績の概要 |
本研究は、看護教員コンピテンシーモデルを開発し検証することであり、開発に向けて国内外の文献を収集し、その結果を「看護教員コンピテンシーモデルの開発に向けた文献的考察」(日本看護研究学会第23回九州・沖縄地方会学術集会)としてまとめた。特に海外による看護教員のコンピテンシーには教育的な理論を踏まえた視点が含まれており、それらの内容を我が国におけるコンピテンシーにおいても検討していく必要性が示された。 上記の結果を通して、看護教員コンピテンシーモデルを構成する概念を整理した。全国看護系大学に所属する看護教員を対象に、本モデルに対する調査用紙を作成した。看護教員コンピテンシーモデルの開発と検証として、倫理審査委員会に審査後、各調査項目が看護教員としての能力や資質を評価できる項目であるかという視点から、10名の看護教員に意見を求め検討した。その結果、調査項目の表現や内容について指摘事項があったため検討した。大幅な変更ではなかったが、再度倫理審査委員会に報告し承認を得た。最終的なモデルは、①学習を支援し促進する(16細項目)、②学習者専門職としての職能開発と社会化の促進を行う(11細項目)、③教育・学習に関する評価を行う(8細項目)、④カリキュラムを理解し参画する(10細項目)、⑤研究に取り組み社会貢献に関わる大学教員としての責務を果たす(9細項目)、⑥組織運営における自己の役割を果たす(8細項目)として構成された。今後は、本調査用紙を用いて、全国調査を行うとともに、本調査内容の普及を図る予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
看護教員のコンピテンシーモデルを構成する調査項目の作成にあたって、倫理審査委員会に申請・承認後、雪だるま式により、10人の看護教員からの調査項目に関する意見を求めた。それによって調査項目の表現などを修正し変更したため、再度、倫理審査委員会に承認申請を行った。看護教員による指摘事項を修正し、調査項目の適切性を図ったため、時間を要することとなった。
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今後の研究の推進方策 |
看護教員のコンピテンシーモデルとして6つの大項目と62の細項目が見出された。今後は、本調査用紙を用いて、全国の看護系大学に所属する看護教員を対象として、調査を行い、本モデルを構成する項目の意義・有用性について検証を進める。また、グループインタビューや研究会を開催しながら、本モデル項目が看護教員のコンピテンシーを表現できているか、さらに看護教員のキャリア促進に向けて貢献できるかどうかについて検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2018年度において、調査を開始する予定であった。しかし、一回目の調査終了後において、10名の研究参加者より調査項目の修正と変更に関する指摘事項があった。このため、調査内容を見直し研究者らと検討したうえで、倫理震災委員会に再申請を行った。再申請の結果を3月末に確認できたため、実際の調査時期が2019年に実施することとなった。 2018年度内に調査データの収集やデータ入力ならびにデータ分析を行う予定として予算を計上していたが、実際の調査時期が、2019年度に入ったため、調査データの収集やデータ入力ならびにデータ分析(人件費を含む)に要する費用が2019年度に使用することとした。また、2018年度に調査が終了した場合を想定し論文作成を予定したが、論文成果を2019年度に実施することとしたため、論文作成に要する費用が2019年度になった。なお、2019年度早々に調査は開始しているため、調査結果が回収でき次第、分析ならびに論文作成に取り掛かる予定である。
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