看護教員の大学教員としての能力とキャリア発達を目指す看護教員コンピテンシーモデルの開発を目的とした。モデル原案(6大項目62項目:〈1.学習を支援し促進する〉15項目、〈2.学習者の専門職としての職能開発と社会化の促進を行う〉11項目、〈3.教育・学習に関する評価を行う〉8項目、〈4.カリキュラムを理解し参画する〉10項目、〈5.研究に取り組み社会貢献に関わる大学教員としての責務を果たす〉10項目、〈6.組織運営における自己の役割を果たす〉)を作成し、看護系大学看護教員を対象に調査を行った。因子分析の結果などから、《1. カリキュラムを理解し参画する》、《2.学習者の専門職としての職能開発と社会化の促進を行う》、《3. 組織運営における自己の役割を果たす》、《4.専門領域の研究に継続的に取り組む》、《5. 教育・学習に関する評価を行う》、《6.目標に即した授業計画を立案する》、《7. 実習先との連携と調整を図り改善する》、《8関連する職能団体に参加する》が抽出された。各因子のα係数は0.8以上であり、本モデルの信頼性と妥当性が確認された。 NLNやWHOによって明示されているため、本モデルの結果から、”Survey report on the development of a competency model for nurse educators”としてまとめた。海外におけるコンピテンシーの構成概念と比較し、《7. 実習先との連携と調整を図り改善する》は我が国における看護教員コンピテンシーの特徴であることが考えられた。また、カリキュラムへの参画は、通常新人看護教員よりも、経験年数を経た教員が関わる傾向にある。第1因子《1. カリキュラムを理解し参画する》は、看護教員が早期からカリキュラムに関わり、組織運営に参画できる必要性を示していることが考えられた。
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