研究課題/領域番号 |
17K12130
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
熊谷 たまき 大阪市立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (10195836)
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研究分担者 |
藤村 一美 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (80415504)
小竹 久実子 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (90320639)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | バーンアウト / トランジション / 看護学生 |
研究実績の概要 |
本研究では、看護学生の入学後から卒業年次までの学習遂行状況を継続して捉えること、さらに基礎教育課程での学習遂行状況が就業後に及ぼす長期的な影響を明らかにすることを目的としている.本研究によって得られる知見は,看護基礎教育課程から就業までを円滑に繋げるトランジションを目指した学習支援のあり方を検討する際に資する基礎的情報となると考えている.そして,就業後の職業継続意向にも寄与することを期待している. 本研究は看護学生対象に実施する縦断的調査研究計画である.本年度は本研究で用いる自己効力感の因子妥当性を検証し概念構成の理解を深めるために,看護師を対象とした調査データを用いて特性的自己効力感の因子構成を解析し,その結果を紙上報告した.また,本結果については看護学生においてもみられる傾向であるか否かを確認した.さらに英語版バーンアウト尺度から作成した日本語版尺度に関しても,先行研究で報告されている因子構成に関する結果が日本語版尺度にみとめられるか否かについても確認した.そして,バーンアウト尺度日本語版と学業的援助要請との関連を検討し,その結果を次年度の学術学会で報告する予定である.以上に加えて,バーンアウト,自己効力感・自尊感情,学業的援助要請の他にストレス対処能力SOC尺度の選定をおこなった. 以上の検討を踏まえ,次年度から看護学生800名を対象に学習上のバーンアウトと関連要因の検討に関する実査を進める計画である.現在,調査協力を得るための教育機関への依頼と調整を図っている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究を遂行するにあたっては調査で用いる自尊感情と自己効力感,バーンアウトについて,既存データを活用してその関連性を確認し,また自己効力感の概念構成を確認する必要があると考え,尺度検証を進めた.また本研究は看護学生を対象に実施する追跡調査であるため,調査依頼に関する手続き等について調査依頼機関との調整を図る必要があり,実査が予定より遅れている.取りかかっている調査対象機関との調整を進め,次年度は2件の実査を執行する計画である.
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今後の研究の推進方策 |
今年度,既存データを活用して検討を行った自尊感情と自己効力感,バーンアウトの関連に関する解析結果を研究成果として国内外の学術学会で報告すること,また紙上発表することを目指す.そして縦断調査の実査を進め,看護学生を対象に学習上のバーンアウトと関連要因の検討を行い,また看護基礎教育課程から就職1年目への移行状況を把握するために大学4年次生を対象にパイロット・スタディを行う計画である.
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次年度使用額が生じた理由 |
平成30年に実施予定であった調査について,調査協力依頼に関して調整に日数を要したため,年度内に実査を遂行することが難しい状況にあった.現在,調査協力依頼を進めており,予定配票数に達するまで調査依頼をかけ,その後,実査を速やかに行う計画である.高等教育機関からの協力を得た上で看護系大学の学生1100名を対象に無記名自記式質問し調査を行う予定であり,また研究成果を国際学会において報告する計画であるため,その諸経費に充当する計画である.
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