研究課題/領域番号 |
17K12134
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
吉岡 詠美 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 助教 (90790957)
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研究分担者 |
金子 さゆり 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (50463774)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 看護倫理 / 看護倫理教育 / 基礎教育課程 |
研究実績の概要 |
本研究では、看護系大学の看護学生が、看護学実習で経験するケアの倫理的行動について評価できる尺度を開発するとともに、看護学生の倫理的判断能力の獲得を目指した看護教育のあり方を検討することを目的としている。 平成29年度は、倫理的行動を定義するために概念分析を行なった。さらに専門家会議で、概念化したものが学生に適応するかどうかを検討した。 尺度開発の理論的背景となる倫理的行動の概念化については、国内外の既存文献を読み整理し、Rogersの概念分析法で概念整理を行った。その結果、「看護学生および看護師における倫理的行動」は、属性が5カテゴリー、先行要件が3カテゴリー、帰結が3カテゴリーであった。専門家会議では、大学教員3名、看護部長等の管理職3名で、基礎教育課程での倫理的行動におけるパフォーマンスレベルの検討および「看護学生および看護師における倫理的行動」の概念を基盤とした尺度の検討を行った。 今年度の研究成果は、倫理的行動および類似概念に関して文献検討した「基礎教育と継続教育における倫理的判断能力の獲得レベルと倫理教育の現状」を、平成29年12月に開催された日本看護科学学会で発表した。また、「看護学生および看護師における倫理的行動」は、平成30年8月に開催される日本看護学教育学会学術集会で発表することが決まっている。 次年度は、概念分析を基盤とした尺度開発を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、倫理的行動および概念分析に関する国内外の既存文献を読み、概念の整理を行った。尺度開発の理論的背景となる概念が明確化し、今年度の計画は終了できた。さらに専門家会議では、次年度の尺度開発に向けて検討を行い、準備は整いつつある。今年度の進捗はおおむね順調である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、概念分析を基盤とした尺度開発を行う。対象は、ランダムに選定した看護系大学5校から6校の4年生400名~480名にアンケート調査を行う。具体的には、概念分析を基盤とした質問項目を作成し、アンケート調査を行う。アンケートの収集は、留め置き法とする。分析は相関係数を算出し、信頼性は内的整合性を検討するためクロンバックα信頼係数を算出する。妥当性は、探索的因子分析と確証的因子分析を行うことで、構成概念妥当性の検討を行う。さらに、既存尺土との併存妥当性の検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は、データ整理およびデータ入力のために人件費を確保していたが、依頼せずに行なえ削減できたため、次年度へ繰り越した。
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