これまでの研究の結果、急性期病院で勤務する退院支援看護師の経験年数が短い者は経験年数の長い者より退院支援計画の策定と遂行に困難感が有意に強い結果が示された。この調査結果で困難感が生じている要因には介護保険制度などの社会保障制度や在宅生活における社会資源の知識不足があった。この結果をふまえ退院支援部門や地域連携室等で専従で勤務する3年目以下の者、4名を対象に介護保険制度などの社会保障制度や患者の在宅生活を支える社会資源について講義を実施した。 4名の退院支援看護師は訪問看護など地域・在宅関連に従事した経験はなく、患者の在宅生活状況を理解しづらい現状にあったため、退院時など同行訪問可能な者には同行訪問の実施を計画し1名の者が実施した。 4名の退院支援看護師には退院支援の実践の振り返りを研究者と退院支援看護師として専従で従事する7年目の者と実施した。その結果、退院後の生活を含めた課題の明確化や社会資源の活用方法の理解が深まった。 各病院の退院支援部門に専従する退院支援看護師の配置人数は少なく、依頼ケースの支援は各々の退院支援看護師に任せられていることが多く、退院支援看護師同士でケースの支援についての振り返りやカンファレンスを行うことが少ない現状であることから退院支援看護師同士での振り返りを行う機会は退院支援看護師の実践能力を高め合う機会になることが示された。
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