研究課題/領域番号 |
17K12147
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研究機関 | 安田女子大学 |
研究代表者 |
高瀬 美由紀 安田女子大学, 看護学部, 教授 (50437521)
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研究分担者 |
二井谷 真由美 広島大学, 医系科学研究科(保), 講師 (30326441)
今井 多樹子 安田女子大学, 看護学部, 准教授 (80538439)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 深層的学習アプローチ / 学習への関心 / 学習エンゲージメント |
研究実績の概要 |
2019年度は、2017年11月から2018年1月にかけてDAL促進因子を探究した質的研究結果に基づいて、DAL促進に寄与するteaching approachを測定するための尺度(Teaching approach scale)を開発した。そして、学生の関心を引き、そして学習行動への関与を高めるための教育3要素(教員による学習活動の促進、知識の教授、そして教員の熱意と支援)を含むteaching approachモデルを構築し、その妥当性を検証するために、公立・私立の2看護系大学に所属する2~4年次生500名を対象に、質問紙調査を実施した。質問紙には、河井と溝上によって作成された深層的学習アプローチを測定する学習アプローチ測定尺度と、髙瀬他によって作成された学生が認知する教育3要素を測定するTeaching approach 尺度を活用した。両尺度とも信頼性・妥当性は確認済みである。得られたデータはパス解析を用いて分析した。 その結果、154名の学生から有効回答を得た。分析の結果、教員による学習活動の促進は、看護学生の深層的学習アプローチと正の相関関係にあることが判明した。またこの関係は、教員の熱意・支援および知識の教授によって完全媒介されることも判明した。 深層的学習アプローチには、学習に対する行動的、感情的、認知的エンゲージメントが必要不可欠であり、上記教育3要素が学生の学習に対するエンゲージメントの向上に貢献したと考えられる。またグループワークなどの学習活動の促進は、授業に対する学生の興味関心を惹起する上で大切だが、教員による熱意・支援および知識の教授は、学生の学習に対する興味を維持する上で重要である。これら3要素が融合し、深層的学習アプローチの向上に寄与する可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究初年度の遅れが、現在の進捗状況にも影響している。 また本年度は、上記研究結果に基づき、学生の深層的学習アプローチを促進するための教育プログラムを構築し、その効果を介入研究を通して検証する予定であった。しかし、新型コロナウィルス感染症のため、すべての授業が遠隔授業となったため研究実施が難しい状態である。
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今後の研究の推進方策 |
深層的学習アプローチを促進するための教育プログラムの構築は進めるが、上記理由に伴う授業の遅れを考えると、プログラムの科学的検証は困難である。従って本年度は、試験的なプログラムの実施・評価を行う予定である。また深層的学習アプローチ促進因子の一つである学習への関心を高める教育方法に関する文献検討を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究が遅れているため、予算の執行も遅れている。
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