研究実績の概要 |
本研究は、病棟看護職者個々の医療事故防止能力向上を実現する教育プログラムの開発を目的とする。この目的を、次の①②③を経て達成する。①病棟で展開される患者教育に関わる問題と患者教育力に関係する病棟看護師の特性を解明する。②①の結果と先行研究「患者教育を展開する看護師が直面する問題」および文献検討の結果に基づき、「病棟看護師の患者教育力向上を支援する教育プログラム」を作成する。③作成した教育プログラムのパイロットスタディ行った後、複数の病院において病棟看護師を対象に教育プログラムを行い、その有効性を検証する。今年度は、以下のことを行った。 1.研究成果の公表:病棟看護師が患者教育を展開する際に直面する問題を問う質問紙調査を用いて収集したデータをBerelson,B.の方法論を参考にした看護教育学における内容分析(舟島,2015)の手法を適用して質的帰納的分析を行った。その結果、【患者・家族個別の教育目標達成阻害要因克服に向けた教育計画立案、修正困難】など、病棟看護師が直面する患者教育上の問題29カテゴリが形成された。この29カテゴリを看護系学術雑誌に公表した。 2.教育プログラムの実施とその評価および公表:教育プログラムを3病院にて実施した縦断研究の結果を、量的に分析した。研究成果を用いた教育内容の提供と継続的な自己評価を組み込んだ教育プログラムの有効性を量的質的データの収集をとおして確認した。その公表に向けた論述の完成、投稿に向けた取り組みを継続している。
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