研究課題/領域番号 |
17K12153
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
杉山 令子 秋田大学, 医学系研究科, 助教 (80312718)
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研究分担者 |
石井 範子 北海道科学大学, 保健医療学部, 教授 (10222944)
佐々木 真紀子 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (40289765)
長谷部 真木子 秋田大学, 医学系研究科, 准教授 (60241676)
工藤 由紀子 秋田大学, 医学系研究科, 講師 (20323157)
菊地 由紀子 秋田大学, 医学系研究科, 助教 (40331285)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 抗がん薬 / 職業性曝露 / 曝露防止策 / 訪問看護師 |
研究実績の概要 |
本研究は訪問看護師の抗がん薬曝露を低減するために,訪問看護師の抗がん薬曝露に関する現状を明らかにし,臨地現場に即した曝露防止策指針を提案することを目的とする。 昨年度は、初年度に実施した全国調査の結果を第38回日本看護科学学会学術集会にて発表した。全国の訪問看護ステーション1039施設の常勤訪問看護師各1名を対象に,無記名郵送による質問紙調査を実施し,有効回答は204名(有効回答率20%)であった。施設で曝露防止策が講じていたのは28%であり,曝露影響を認知している訪問看護師は55%であった。がん化学療法中患者への訪問経験のある者は60%(平均訪問件数8±19件/月),援助内容は抗がん薬経口与薬60件,清拭入浴介助59件,ストマ排液交換44件,オムツ交換42件,トイレ介助38件,抗がん薬携帯ポンプ抜針37件等であり,実際に抗がん薬曝露の機会が存在することが明らかとなった。訪問中に曝露防止策を講じていたのは30%,防護具が必要な場面において防護具なしや手袋のみの状況がみられた。曝露防止策を講じていない理由は,方法不明29件,物品費用負担19件等であった。 介護者へ曝露防止策を説明していたのは32%の看護師であり,内容は排泄方法23件,排泄物取扱い時防護具20件,携帯ポンプ廃棄法16件等であった。説明しない理由は,方法不明19件,必要性不明10件等であった。 訪問看護師の抗がん薬曝露の低減のためには,抗がん薬の曝露影響の情報と共に,状況に即した防護策の情報提供が必要である。現場の意見を取り入れた曝露防護の指針案を早急に作成し,広く知っていただく必要があることが考察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成30年度には面接調査と、曝露防止指針案の作成と評価が実施できる見込みであったが、指針案の作成に遅れが生じており、面接調査と指針案の評価には至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
曝露防止指針案の作成においては、イラスト作成に費用が発生する可能性がある。交付金と前年度の残金で、イラスト作成費用、保留していた面接調査と質問紙調査の2回目の費用として実施する予定である。 1.曝露防止指針案を作成する。 2.研究代表者、研究分担者で秋田県内外の訪問看護ステーションを訪問し、抗がん薬曝露防止策の現状と課題、研究代表者らが検討している曝露防止策指針の現場への適合性を訪問看護師に確認する. 3.曝露防止指針案を訪問看護師に送付し、評価を得る。 4.訪問看護師の評価について、学会発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成30年度は、指針案を持参した面接調査と、指針案の評価の2回目質問紙調査を予定していた。しかし指針案の作成に時間を要し、面接調査と2回目質問紙調査を実施できなかったために残金が生じた。最終年度は交付金と残金で、指針案に使用するイラスト作成費用と、保留していた面接調査と質問紙調査の2回目の費用、調査に使用するPC費用として実施する予定である。
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