看護業務量推計モデルを基にした病棟マネジメント基盤開発

2018 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 17K12156
• 研究機関: 名古屋大学
• 研究代表者: 佐藤 菊枝 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (30731468)
• 研究期間 (年度): 2017-04-01 – 2020-03-31
• キーワード: 業務量

研究実績の概要

本研究の目的は，病院情報システムを利用した医療ビッグデータを基に良質な看護を提供するための病棟マネジメントを支援するシステム基盤を構築して，病棟看護スタッフの業務量を可視化し，業務管理における有効活用度の向上に資する統計的方法を検討することである。
平成３０年度は、「システム基盤の開発」業務量システム基本設計について、看護システムから得られる業務量データと医療情報システムから，看護情報，患者状態情報，スタッフの臨床実践能力情報等のデータ抽出・連携するシステム設計を行った。また、医療情報インターフェースの標準化については、多施設利用を可能とするため，看護業務行為マスタの項目を分類整理して積上げ、対応して医療情報の項目についても標準化規格へのマッピング作業を行った。
「業務量推計モデルの開発」では、平成２９年度で業務量に影響を及ぼす要因の探索的因子分析から得られた結果から発展させ、共分散構造分析（ＳＥＭ）を使って抽象的因子である「患者状態」や「クリニカルラダー評価」等の関連性と潜在変数の妥当性を検討した。病棟業務のプロセスフローも並行して精査することで、業務量推量モデルにおける時間量としての観測変数や最適モデルの導出の検証を行った。
更に「推計モデルを基にした業務量評価システム構築」では、業務量推量モデルを作成し、最適モデルの検証と評価実験を目指して、業務量推計モデル式のプログラム化を試みた。

現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

業務量推計モデルのプログラム化までで、システム構築・検証まで至らなかった。

今後の研究の推進方策

最終年度の成果として、業務量推計モデルを組み込んだ業務量評価システムとして完成させる。リアルタイム・ダッシュボード開発を行い、現場での運用にフィードバックし，業務改善サイクル実現への取り組みを行う。

次年度使用額が生じた理由

進捗の遅れからシステム開発にかかる費用を次年度へ繰越したため。