研究課題/領域番号 |
17K12159
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
Locsin Rozzano 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 教授 (60747814)
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研究分担者 |
大坂 京子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 講師 (30553490)
飯藤 大和 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 助教 (60723921)
安原 由子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 准教授 (90363150)
宮川 操 徳島文理大学, 保健福祉学部, 准教授 (90637084)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 技術力 / ケアリング / 看護 |
研究実績の概要 |
平成29年度は、日本の文化・社会的背景、高度に発展した医療の現状を踏まえたうえで、看護師の看護におけるケアリングとしての技術力を測定する方法を明確にした。 Parcell、Locsinらの「看護におけるケアリングとしての技術的な能力の思考を測定するための評価尺度(TCCNI)」、および、Kato、Taniokaらの「看護におけるケアリングとしての技術力の思考と実践状況を測定するための評価尺度である日本語版の評価尺度(PITCCN)」 の質問項目の相関関係を分析することにより、両者の項目を整理した。さらに、その他の看護におけるケアリングの尺度(ジーン・ワトソン著、筒井真優美(翻訳):ワトソン、看護におけるケアリングの探究―手がかりとしての測定用具、日本看護協会出版会、2003 年)と比較検討した。また、重久の「ケアリング行動質問紙(PCBQ)」を用いて尺度の基準関連妥当性を検討し、我が国における「看護におけるケアリングとしての技術力に関する思考と実践状況測定尺度(TCCNI-J-R)」を完成させた。 次の段階として、我が国におけるTCCNI-J-Rが、「医療安全文化」に関係していることを明らかにした。「TCCNI-J-R」が「医療安全文化」に関係していることを明らかにするため、TCCNI-J-Rと「医療における安全文化に関する思考(PSC)」を使用してアンケート調査を行った。また、TCCNI-J-RとPSCとの関係性を分析した。 研究成果を英文でInternational Journal of Nursing & Clinical Practicesへ論文投稿した。また、第37回日本看護科学学会学術集会にて学会発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
順調に研究が進められており、30年度に行う予定のアンケート調査の一部を今年度に前倒しして行うことができた。また、前述の研究実績の概要で記載したTCCNI-J-R、PITCCN、PCBQの相関関係を分析したことにより、TCCNI-J-Rの基準関連妥当性まで分析できた。
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今後の研究の推進方策 |
(1)TCCNI-J-Rの妥当性と精度を高めるために、四国内のA総合病院で調査を行い、基本属性や労働意欲との関係性を分析する。また、探索的因子分析に加えて検証的因子分析を行う。 (2)前述したA病院で「看護におけるケアリングとしての技術力」に関する現任教育を実施する。 (3)現任教育の前後でTCCNI-J-Rを用いて看護におけるケアリングとしての技術力と医療における安全文化の考え方への影響を分析する予定である。 上記の(1)から(3)を検討することにより、次年度の多施設調査の方向性を決定していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
アンケート調査の謝礼を計上していたが、善意で調査協力してくださる方が多かったため、次年度への繰越金となった。 使用計画としては、徳島大学で使用できていたSPSS・Amosが使用できなくなったため、開発したTCCNI-J-Rの統計学的妥当性の検証に使用するSPSS・Amosを新たに購入する予定である。
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