研究課題/領域番号 |
17K12161
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
岡田 みずほ 長崎大学, 病院(医学系), 技術職員 (90596561)
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研究分担者 |
松本 武浩 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (20372237)
本村 陽一 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 首席研究員 (30358171)
岡田 純也 活水女子大学, 看護学部, 教授 (70315266)
西村 拓一 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究チーム長 (80357722)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | タイムスタディ / ハンズフリー / 可視化 |
研究実績の概要 |
看護業務量測定用の看護業務マスタの再構築を行った。これにより、保健師助産師看護師法に基づく「療養上の世話」と「診療の補助」、またこれらに含むことができない「周辺業務」の3区分に分類することができた。この区分を使用した自計式業務量測定調査結果では、全業務の20%以上が「記録業務』に費やされていることが明らかとなり、一般病棟7対1入院基本料を算定している病棟でも、特定入院料を算定している病棟でも、この傾向に違いがないことが明らかとなった、さらに、「療養上の世話」と「診療の補助」業務の全業務に占める割合には、有意な負の相関関係があることが、明らかとなり、さらには「診療の補助」業務方が実施している業務割合が多い病棟が多いことが明らかとなり、急性期病院の7対1入院基本料を算定している病棟では、現状として「療養上の世話」を行う業務時間よりも「診療の補助」業務に費やす時間が増加していること、また療養上の世話の割合を増やそうとすると、業務時間の延長を引き起こす勤務となっていることが示唆された。 今回、デバイスに関するユーザーを対象としたアンケート調査を再考したが、現在の調査手法では、入力負担の軽減につながらず、心理的負担が多いタイムスタディ調査となっているいる現状があることが明らかとなった。特に、入力操作の際、現状のデバイスでは、両手が入力操作時に両手がふさがれてしまい、本来業務の中断を余儀なくされる点が最も解決すべき点として抽出された課題であり、この点を解決することで、今まで以上にデバイスを使用した業務量調査が負担なく実施できることが示唆された。 今後これらの点を改修し、1業務あたりの標準時間の設定に向けた正確な業務量調査を実施できるように準備を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現状のモバイルによるタイムスタディ調査の欠点を明確化でき、今後の研究活動のスキームの再構築ができた。 これまで、手入力に主眼をおいたが、音声入力等の異なる入力手法を使用する枠組みの検討を盛り込むことが可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
モバイル端末を使用して、タイムリーな入力を行う方向性はそのままとするが、入力手法を階層型のタッチ式による手入力から、音声識別を応用した直感型入力へ変更し、その精度向上を目指す。また、入力データの集計、分析ツールの構築を完了し、入力者が必要に応じてデータ閲覧ができる仕組みを構築する。さらに。全データの集計を短時間で実施できるよう、院内ネットワークの活用を検討する。これにより、業務分析と動線分析を同時に実施できるようなスキームを構築する
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次年度使用額が生じた理由 |
集計データツールの構築が年度末までに実施できなかったことと、音声入力によるデータ収集方法への変更を検討したため、機器の選定が間に合わず、情報収集・分析ツールの発注ができなかったことで差額が生じた。今年度は、音声入力用機器及び集計データ用のアプリケーションの作成費用費用として使用予定である。
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