研究課題/領域番号 |
17K12161
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
岡田 みずほ 長崎大学, 病院(医学系), 技術職員 (90596561)
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研究分担者 |
松本 武浩 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (20372237)
本村 陽一 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 首席研究員 (30358171)
岡田 純也 活水女子大学, 看護学部, 教授 (70315266)
西村 拓一 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究チーム長 (80357722)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | タイムスタディ / 携帯端末 / 音声入力 |
研究実績の概要 |
看護業務量測定を簡便かつ正確に実施するため、看護業務マスタの再構築を行い、それを使用した自計式業務量測定調査結果を詳細に分析した。その結果、端末入力総数は、全体の88.4%であり、紙記録で残した業務内容は11.5%だった。今回調査した医療機関の21病棟それぞれの端末入力数と紙記録を比較したところ、入力件数は最大500件、最低150件と300件以上の差があることが明らかとなった。また、デバイスに関するユーザーの意見を聴取するためのアンケート調査から、現在の調査用マスタの視認性が悪いことが明らかとなった。また、携帯端末を使用したタイムスタディ調査を実施するうえで、「デバイスの基本操作がわかりやすい」「持ちやすい(軽い)」「アプリが見やすい」ことが、重要要素であることが明らかとなった。 さらに、現在の調査手法のままでは、入力負担の軽減につながらず、心理的負担が多いタイムスタディ調査となっており、入力操作の際、入力操作時に両手がふさがれてしまい、本来業務の中断を余儀なくされる点が最も解決すべき点として抽出された。この点を解決することで、今まで以上にデバイスを使用した業務量調査が負担なく実施できることが示唆された。そこで、当初計画した手入力の測定方法よりも、音声入力を用いる手法の方が本来業務の中断を引き起こさず、さらに効率的にタイムスタディ測定が実施できる手法であるため、この手法を実施するため研究期間を延長することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
携帯端末と紙媒体を合わせて実施した業務量調査では、携帯端末の入力率が80%を超えており、紙へ記載する方法よりも簡便であることが示唆された。しかし得られた調査結果から、計画的な業務量測定を行う上で、当初計画した手入力の測定方法よりも、音声入力を用いる手法の方が本来業務の中断を引き起こさず、さらに効率的にタイムスタディ測定が実施できること、またこれに業務動線情報を付加した測定であれば、さらなる業務効率化の提言につながる。これを実現するには、施設内ネットワークとの連携が必要であることが判明したため、補助期間を延長し計画を追加して実施し、結果を分析する必要があると考える。
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今後の研究の推進方策 |
携帯端末を基盤端末として音声入力による看護業務測定を行う。また音声入力が実施された場所を携帯端末の位置情報を活用することで測定し、効率的な動線と業務の効率性を測定することで、さらなる業務効率化の提言につなげる。これを実現するため、施設内ネットワークを活用することが必要となることと、ネットワークの強度確認が必要となる。研究対象施設の許可を得て、院内ネットワークを活用した看護業務量調査を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画的な業務量測定を行う上で、当初計画した手入力の測定方法よりも、音声入力を用いる手法の方が本来業務の中断を引き起こさず、さらに効率的にタイムスタディ測定が実施できること、またこれに業務動線情報を付加した測定であれば、さらなる業務効率化の提言につながる。これを実現するには、施設内ネットワークを活用した位置情報の取得と電子カルテ上の実施情報及び看護師の音声入力によるタイムリーで正確なタイムスタディの情報が必要であることが判明したため、補助期間を延長し計画を追加して実施する。特に、位置情報の取得に関しては、ネットワーク上からの取得の可否を判断するため、ビーコン等のICTツールの活用も不可欠であり、これらの購入を計画している。
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