研究課題
新型コロナウイルス感染症拡大により、重症患者の受け入れや病床再編、病棟閉鎖などが生じた。通常の調査環境は大きく変容したため、変更した業務量調査を実施するまでには至らなかった。2020年度の看護業務量調査(自記式記載方式による調査)の結果からは、7対1入院基本料算定病棟における患者100人当たりの看護業務量を2019年度と比較しても大きな変化は認められなかった。ただし、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れた病棟に関しては、2019年度の看護業務量と比較すると、患者100人あたりの業務量は約2倍に増加した。7対1入院基本料算定病棟における看護業務量調査結果をABC分析した結果、観察・測定、看護実践記録、注射、与薬、スクリーニング・評価、身体の清潔、看護師間の報告・連絡、カンファレンス、情報収集、患者・家族への対応、診察・治療検査介助、患者移送、入退院時の世話、重症度、医療看護必要度関連の業務で全体の業務の80%を占めていることが明らかとなった。また今年度は、2006年度から2017年度までに実施した看護業務量調査過去12年分について2020年度と同様にABC分析を実施した。その結果、紙カルテ時代の2006年度の看護記録関連業務は、看護業務全体の8%を占めていたが、電子カルテが導入され10年が経過した2017年度には22%まで増加していることが明らかとなった。また、12年間のABC分析の結果からは、上位の割合を占める業務にほとんど変化がないことが明らかとなった。
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