研究課題/領域番号 |
17K12165
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研究機関 | 新潟県立看護大学 |
研究代表者 |
岡村 典子 新潟県立看護大学, 看護学部, 准教授 (40342000)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 看護管理 / マネジメント / 感情 |
研究実績の概要 |
本研究は,看護管理者の的確な感情マネジメントにより「看護管理者,そして看護師が意思疎通を十分に行うことで,チームが活性化する」ことを目標としている.そのため,研究期間内に「看護管理者が自身だけでなく他者の感情も的確に把握し,理解・活用することができる教育プログラムの構築」を目指し取り組んでいる. 2019年度は,2017~2018年度に取り組んだ文献レビューの内容を整理し,日本看護科学学会にて発表した.レビューした文献は,①看護師へのキャリア支援,②部署運営,③能力,④コンピテンシー,⑤看護管理者からの承認,の5つに分類することができた.また,分類した文献ごとに結果内容を精読したところ,①看護師へのキャリア支援では,“個々に合わせた関わり”,“意図的なサポート”,“自己理解の促進”等,5つのテーマが抽出された.ほか,⑤看護管理者からの承認では,“役割遂行への承認”,“自身への関心”,“肯定的な評価”,“意思疎通”の4つのテーマが抽出された.これらの結果から,看護管理者は,看護師の個別性を考慮した関わりを重視していること,また対人関係を意識した部署運営を重視していることが明らかとなった.一方で,看護師らは,看護管理者に認めてほしい,見ていてほしいといった自身への注目を要望する内容が抽出されており,両者の関わりの間にはすれ違いがあることが示唆された.このことは,看護管理者が伝えようとしている思いや考えが,発している言動からは,看護師には伝わっていないことを現しているといえる.よって,看護管理者には,看護師との関係を発展させるために,自身の言動の意図を相手に分かるように伝える,そして看護師の率直な思いを引き出す,こうした力が必要とされていることが考えられた. このことを踏まえ,調査(参加観察・インタビュー)に向けた書類作成,および倫理審査の申請手続きに取り組んだ.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
学会発表した文献レビューから,調査実施に向け準備に取り掛かったが,内諾を得ていた施設側との交渉にて,調査内容および倫理申請に関する書類の検討が必要となった.また,年明けから新型コロナウイルスによる影響を受け,研究に関する打ち合わせが滞る事態となった.
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスの影響が懸念されるが,国内における研究活動に関する動向について他研究者との情報交換を密に行い,調査内容の検討等,速やかな対応に努める.併せて,対象施設とのやり取りも丁寧に進め,研究活動の推進を図っていく.
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由:2019年度は,研究活動が遅延したことから,予定していた調査を実施できず予算を執行することができなかった.そのため,次年度にこれらの研究経費を計上することとなった.
使用計画:2020年度は,研究終了に向け研究活動を進めていくことから,未使用額を含め順次執行する予定である.
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