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2017 年度 実施状況報告書

看護におけるinvolvement(かかわり)モデルの構築と検証

研究課題

研究課題/領域番号 17K12169
研究機関滋賀県立大学

研究代表者

牧野 耕次  滋賀県立大学, 人間看護学部, 准教授 (00342139)

研究分担者 比嘉 勇人  富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (70267871)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワードかかわり / involvement / 患者-看護師関係 / 巻き込まれ / 関与 / 概念分析
研究実績の概要

看護におけるinvolvementは日本では「関与」や「かかわり」「巻き込まれ」など、両価的に訳されている。Bennerなど海外の看護理論家たちは、その否定的側面に言及しながら、看護の中心的な概念として肯定的側面を重視している。しかし、わが国では訳語が複数存在するため、involvementの概念が注目されることはほとんどない。そこで、本研究では、Rodgers(2000)の方法を用いて、看護におけるinvolvementの概念を明らかにした。データベースPubMed、CINAHL、SCOPUS、Academic Search Eliteを用いて、involvementおよびnurse-patient relationshipをキーワードに検索を行い収集した56件を対象文献とした。
分析の結果、看護におけるinvolvementの概念の属性として【患者の世界に入る】【患者を理解する】【患者に専心する】【境界を調整する】【関係を調整する】、先行要件として【看護師の要因】【患者の要因】【患者-看護師関係の要因】【状況的要因】、帰結として【看護師の成長】【看護師の肯定的な感情】【肯定的な関係性の変化】【患者との距離をとること】【看護師の感情的な問題】【看護師を脅かす問題】【境界の調整困難】【否定的な関係性の変化】【患者の利益】が明らかになった。
本研究により、患者の身体的、精神的な苦悩に対して、患者-看護師関係を調整しながら、専心的に看護師がかかわることで、患者は精神的、身体的なコンフォートを得ていることが明らかになった。Bennerはinvolvementのスキルを発達させることの重要性について述べている。本研究結果の属性はスキルを発達させるうえでの指標となり、先行要件と帰結はinvolvementに影響を与える因子を考え、その結果を予測するうえでも有用であると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

前年度の研究は、文献を対象とした概念分析であり、倫理審査の承認を得たり、研究を依頼し協力の承諾を得たりする必要がないため、予定通りおおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

昨年度は文献を対象として、看護におけるinvolvementの概念分析を行った。本年度は、看護師を対象として、看護におけるinvolvementの要素の抽出を目的に、質的な研究を実施する予定である。
具体的には、総合病院に勤務する看護師約20名を対象として、研究参加者に患者との印象に残ったかかわりやバランスをとりながら深められたと感じたかかわりなどを尋ねる約1時間の半構造化面接を実施する。承諾を得たうえで、ICレコーダーを用いてインタビューを録音し、その逐語録を質的帰納的に分析し、看護におけるinvolvementの要素をカテゴリーとして抽出する。

次年度使用額が生じた理由

文献研究を行なったが、比較的文献入手にかかる経費が少なかったために、この金額が生じた。この金額と今年度の助成金額を合わせて、逐語録作成にかかる経費に当てる予定である。

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公開日: 2018-12-17  

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