看護の提供者である看護師の平均年齢は年々高くなり中高年ジェネラリスト看護師が増加している。中高年ジェネラリスト看護師は長年の看護経験を活かした看護実践力や調整能力を有していることが多く、その能力の有効活用は看護の質の向上を図る上で重要な意味を持つ。この年代の看護師がモチベーションを維持し、能力を発揮させるためには、「期待される役割を明確に示し評価する」ことが重要と考えた。そこで本研究では「中高年ジェネラリスト看護師の役割遂行尺度」を開発し、その信頼性、妥当性を検証することを目的とした。 2017年は、中高年ジェネラリスト看護師と看護師長へのインタビューを行い、その逐語録を分析し尺度項目を抽出した。尺度項目について、中高年ジェネラリスト看護師へのプレテストを実施、、看護管理の研究者や中高年ジェネラリスト看護師に意見を求め尺度案を作成した。そして、国内200床以上の病院に勤務するジェネラリスト看護師に郵送法による無記名自記式質問紙調査票を用いてアンケート調査を実施した。 2018年~2019年は、アンケート調査の結果集計と分析を行った。504名の中高年看護師と311名の若年ジェネラリスト看護師から有効回答を得た。最終的な尺度は「看護師長のバックアップ」、「若年看護師への非公式なメンターとしての実践指導」「若年看護師への精神的支援の提供」「患者・家族への共感的支援の提供」「チーム医療の調整」の5因子25項目で構成された。開発した尺度の妥当性と信頼性は十分に確保できることを確認した。 本研究について論文作成し、Japan Journal of Nursing Science誌にて公表した。
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