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2017 年度 実施状況報告書

女性看護師および看護管理者の交替制勤務によるサーカリズム変異の神経生理学的評価

研究課題

研究課題/領域番号 17K12183
研究機関東邦大学

研究代表者

田中 美穂  東邦大学, 健康科学部, 准教授 (80385567)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードHeart Rate Variability / 自律神経活動 / シフトワーク / RRインターバル
研究実績の概要

研究者は平成22年度より、女性看護師の16時間夜間勤務中および管理当直中の自律神経バランスや勤務前・後の中枢性疲労を測定することで、疲労を神経生理学的手法により客観的に評価してきた。その結果、勤務前から自律神経活動が低下している被験者は夜勤後の中枢性興奮が過度であることや、帰宅後の仮眠(昼寝)や夜間睡眠中に交感神経活動が優位となる者がいることがわかった。本研究の成果は、蓄積疲労の有無や慢性疲労症候群(CFS)予備軍のスクリーニングに基礎データを提供し、看護師の健康や医療安全など人的資源管理に寄与するものと考えている。
2017年度より着手した本研究の目的は、交替制勤務に従事する女性看護師の連続7日間の自律神経活動から生体リズム(サーカリズム)を可視化し、夜勤後のリズムの乱れやリカバリー過程を評価することである。まずはじめに今年度は、連続7日間のデータ収集のデモンストレーションを2名実施した。その結果、夜勤前と後の選択反応時間のデータ収集と、従来のデータ収集方法より睡眠パターンを明確に同定する必要があることが明らかとなった。現在、新たな計測器機の導入を検討中である。
また、産業保健人間工学会第22回大会にて、女性看護師の16時間夜間による疲労の評価について発表し、看護学のみならず広く産業保健や産業工学系の研究者と交流を図った。そこで意見交換や当該研究への建設的な示唆を求め、シフトワークやライフワークバランス、女性の労働環境などにも視野を広げた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

連続7日間のデータ収集のデモンストレーションを2名実施した際、これまで使用してきた2つの計測デバイスの再検討が必要になった。心拍変動計測デバイスを見直す理由として、これまで最大48時間の連続データ収集であったが今回は7日間と長く被験者の負担が増すこと、また他の器機を同時に使用することで睡眠に関するデータがより正確に取れる可能性があることが上げられる。現在、新しい器機のデモンストレーションを実施したところである。また、選択反応時間測定デバイスの見直しについては、Windows10との互換性の問題とより簡単な測定プログラムを紹介されたことによる。

今後の研究の推進方策

睡眠の評価には脳波計の使用が望ましいが、本実験は被験者が自宅で器機を際装着するプロトコルとなっており、脳波の測定が困難であった。そこで睡眠評価の精度を再検討の結果、これまで睡眠時無呼吸症候群やサーカディアンリズムの研究で使用されてきた腕時計式のデバイスを導入する運びとなった。2017年度は、そのデバイスに関する先行研究の検討も行った。
次年度は、長時間の心電計装着によるテープかぶれの恐れがある夏季を避け、継続的にデータ収集を実施していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

使用予定の計測デバイス2種を計測前に再検討することとなり、2017年度の購入を見送ったため次年度使用額が生じた。次年度は本年デモンストレーションを行い検討したデバイスを購入し、早々に計測を開始する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 女性看護師の16時間夜間勤務中とその後の心拍変動解析による疲労の評価2017

    • 著者名/発表者名
      田中美穂
    • 学会等名
      産業保健人間工学会

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公開日: 2018-12-17  

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