研究課題/領域番号 |
17K12183
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
田中 美穂 東邦大学, 健康科学部, 准教授 (80385567)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | Heart Rate Variability / 自律神経活動 / シフトワーク / RRインターバル / 女性看護師 |
研究実績の概要 |
シフトワークに従事する看護師の連続7日間(延べ8日間)の心拍変動データを計測するために、研究フィールドを選定し研究倫理や実測日程の調整を行った。被験者15名をリクルートし、事前の説明と研究参加の同意を取り交わした。2月末より実験を開始し、7名のデータ収集を行った。その後、新型コロナの流行に伴い、施設間の人の行き来や3密を避ける意向により、実験は中止となった。 実験では、超小型心拍計による心拍変動データ、腕時計式活動系によるサーカディアンリズムのデータをいずれも7日間連続で収集した。また、夜間勤務の前と後30分間に、中枢性疲労の3つのテストと、主観的疲労の2つの質問紙を実施した。7名のうち1名の心拍変動データにアーチファクトが多くみられ、有効な数値が収集できなかった。また、その他の6名もデータが数時間欠損しているため、周波数分析とタイムドメインの分析で分析していく。サーカディアンリズムの計測については、全員検出できていることを確認した。今後在宅勤務が終了したのち、分析を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験が開始となり、半分の時点で新型コロナの大流行により中止となっている。しかし、被験者は決定しており、事前のオリエンテーションも終了していることから、流行が収まり次第研究を再開できる。ただし、データ収集の過程で被験者がにテープかぶれなどを起こす危険があり、真夏は避けて9月より実験を再開する。 また、今回も接触をできるだけ避け、機器や実験場の消毒などは専門家のアドバイスをもらい実施していたこと、実際に対面で関わる時間を30分以内に抑えられるプロトコルが確立していることなどから、再開後はスムースなデータ収集が期待できると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
シフトワークに従事する看護師の連続7日間の心拍変動データの計測については、続けてデータ収集を行い、結果をまとめる。 シフトワークに従事する看護師管理者の連続7日間の心拍変動データを計測については、研究を縮小する可能性が高い。理由の一つとして、①新型コロナ流行により研究を予定している施設から参加を断られる恐れがあること、②前年度の研究計画とは異なる機器の購入や修理費により被験者代が不足する恐れがあるためにより、15名の収集が難しい。条件と予算が許す限りデータを収集する。できれば解析に耐えうる被験者数である10名は収集したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
被験者が集まらずデータ収集の計画が遅れ、被験者への謝金とする予定の助成金が繰り越しとなった。年度末より被験者も予定人数集まり、データ収集を開始している。 使用計画としては、感染拡大のため中断しているデータ取集を再開し、被験者への謝金(1名につき延べ8日間)として使用する予定である。ただし、実験の性質上、気候が涼しい方がテープかぶれや痒みなどの被験者の負担が少ないため、開始は9月以降となる。また、実験フィールドへ持ち運びデータ収集に使用したり、解析ソフトをインストールして分析に使用する専用のノートパソコンが壊れた。現在仕事用のデスクトップパソコンに収集したデータを保管しているが、セキュリティの問題などもあるため購入の予定である。そのほか、データ収集に用いる心電図電極について、現在使っているのもより低刺激のかぶれ防止タイプをサンプルで使用したところ、被験者の皮膚への負担が減少し好評であったため新たに購入する。
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