研究課題/領域番号 |
17K12184
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
川村 晴美 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (60769868)
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研究分担者 |
鈴木 英子 国際医療福祉大学, 医療福祉学研究科, 教授 (20299879)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 急性期病院 / 認知症高齢者 / 看護師 / 困難感 / バーンアウト |
研究実績の概要 |
平成30年度は、「急性期病院で認知症高齢者をケアする看護師の困難感尺度」の原案について信頼性・妥当性の検討をするため、6病院の急性期病院に勤務する看護師703名を対象に質問紙調査を実施した。質問紙は、尺度原案の27項目、および基準関連妥当性を分析するための尺度26項目を用いて構成した。再テスト法は、1回目の調査から2週間後に実施した。1回目の回収数は628部(回収率89.3%)、有効回答数567部を分析対象とした。 項目分析として、度数分布と平均値・標準偏差による天井効果・床効果の確認,項目間および各項目と尺度全体の相関係数の算出を行った。標本妥当性の検討として、Kaiser - Meyer - Olkin(KMO)で検証し、探索的因子分析を最尤法、プロマックス回転での因子分析を行った。内的整合性は尺度全体クロンバックα信頼係数で0.92、第1因子は0.91、第2因子は0.83、第3因子は0.82であった。再テスト法の級内相関係数は0.69(p<0.01)であった。 結果、「急性期病院で認知症高齢者をケアする看護師の困難感尺度」は16項目で【認知症高齢者への対応に対する困難感】【認知症看護の知識・経験不足による困難感】【病棟での他職種連携の困難感】の3因子構造からなる尺度となった。 また、本研究は、急性期病院で認知症高齢者をケアする看護師の困難感のバーンアウトに与える影響を明らかにするために、バーンアウトを目的変数とし、認知症高齢者をケアする看護師の困難感尺度を説明変数として横断研究を行った。全国の国公立の急性期病院の看護部長宛に本研究の説明を行い、同意を得られた病院の看護部長あてに本調査を依頼し、14の病院に勤務する看護師を本研究の対象とした。対象となった看護師2032名に自記式質問調査を郵送留め置き法にて実施した。結果、回収数1605名(回収率:79.0%)であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
急性期病院で認知症高齢者をケアする看護師の困難感尺度の開発を行い、信頼性・妥当性の検証のための分析が終了しつつある。 急性期病院で認知症高齢者をケアする看護師の困難感のバーンアウトに与える影響についての調査が計画に沿って終了している。
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今後の研究の推進方策 |
急性期病院で認知症高齢者をケアする看護師の困難感のバーンアウトに与える影響を明らかにするために、バーンアウトを目的変数とし、認知症高齢者をケアする看護師の困難感尺度を説明変数として横断研究を行った。データ入力まで終了しているため、共分散構造分析により、因果関係のモデル検証を行っていく。 結果については、学会や論文にて発表予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成30年度は大規模な調査を中心に行い、学会発表のための予算執行をほとんど行っていない。 次年度は、主にデータ入力費用と学会発表に費用を使用する予定である。
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