研究課題/領域番号 |
17K12184
|
研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
川村 晴美 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (60769868)
|
研究分担者 |
鈴木 英子 国際医療福祉大学, 医療福祉学研究科, 教授 (20299879)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 急性期病院 / 認知症高齢者 / 看護師 / 困難感 / バーンアウト |
研究実績の概要 |
2019年度は,「急性期病院で認知症高齢者をケアする看護師の困難感のバーンアウトに与える影響」を明らかにするために,全国の200床以上の国公立系医療機関で急性期病院のうち,同意が得られた14病院で認知症高齢者が入院している病棟で勤務する看護師2032名を対象とし,自記式質問紙調査による横断研究を実施した. 質問項目は,バーンアウト(日本版MBI-HSS 22項目)を目的変数とし,認知症看護困難感(DND尺度16項目),WLB尺度24項目,個人要因17項目,環境要因8項目を説明変数とした.分析方法は,1)本研究の対象者の特性を記述統計,2)2変量解析,3)多変量解析,4) 急性期病院で認知症高齢者をケアする看護師のバーンアウトの影響要因を明らかにするため,重回帰分析で最終選択された変数を観測変数として,因果モデルを作成し共分散構造分析にて適合度を検証しながら,因果モデルの改良を行った. 有効回答数は1235名(60.8%)であった.14病院のバーンアウト総合得点平均は11.8~13.1点であったが有意差はなかった.重回帰分析の結果,因果モデルへの投入変数として,8項目が選択された.選択された8項目を観測変数として,バーンアウト因果モデルを作成し,共分散構造分析にて適合度を検証した.適合度は,GFI=0.918,AGFI=0.888,RMSEA=0.073であり,パス係数は全て有意であった. 因果モデルの適合度は採択基準を満たし,認知症高齢者をケアする看護師の困難感のバーンアウトへの影響を説明できると考える.急性期病院で認知症看護の困難感を持っている者は,陰性感情を持ちやすく,バーンアウトしやすいことが明らかになった.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「急性期病院で認知症高齢者をケアする看護師の困難感のバーンアウトへの影響」についての調査はすべて終了し、解析まで終了している。また、調査対象病院へのお礼と結果報告まで行った。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度、「急性期病院で認知症高齢者をケアする看護師の困難感のバーンアウトへの影響」の学会発表をしていく予定であり、 論文も投稿予定。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2020年度に学会発表のために経費を使うことと、英文校正のための予算を残しました。
|