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2019 年度 実績報告書

情報通信技術を用いた発達障害児災害危機管理システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K12185
研究機関金沢医科大学

研究代表者

中井 寿雄  金沢医科大学, 看護学部, 講師 (10708986)

研究分担者 塚崎 恵子  金沢大学, 保健学系, 教授 (20240236)
京田 薫  金沢大学, 保健学系, 准教授 (00639776)
板谷 智也  金沢大学, 保健学系, 助教 (10765192)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード災害看護 / 避難行動要支援者 / GIS
研究実績の概要

通院する発達障がい児を対象に災害に関する調査を実施した。調査結果から、地理情報システムを用いて避難行動シミュレーションを実施した。発達障がい児が津波による被害を免れることができる福祉避難所の地理的条件は、1.津波が到達しない標高の高い位置へ立地している、2.福祉避難所への全ての経路が低地から高地へ向っている、3.津波到達時間までに避難所まで到着しなくても、浸水想定外へ退避できる位置に立地しているである。浸水が想定される区域に立地する福祉避難所の地理的条件は、4.垂直避難先として周知している、5.津波到達時間よりも先に避難できる場所に立地している、6.河川からの津波流入による到達時間の短縮を考慮しても避難できる場所に立地している、7.避難の方角に河口がないと考えられた。
発達障がい児と養護者が、担当の理学療法士らと一緒に自分の災害への備えを行うためのアプリケーションソフトを開発した。このアプリを用いて、2つの自治体(鹿児島県肝付町、石川県内灘町)の協力で実証実験を行った。実証実験ではNTTドコモよりiPadの機器や閉域網によるLTE回線の使用協力を得た。アプリは今後、課題を改修し2020年度末の実用化を目指している。
発達障がい児の調査過程で、就労継続支援事業所に通所する精神障がい者の災害時の避難行動について調査し、避難勧告発令時の避難意志への関連要因を検討した。精神障がい者の避難勧告発令時の避難意志、に自分の病状悪化のイメージができない、居住地の災害特性・脆弱性を知らない、主病名が統合失調症が有意に関連していた。
さらに、北陸三県の福祉避難所の備えや受入れ体制に関する調査を実施した。受入れ体制は、停電の長期化により、ほとんどの施設で通信が途絶し、約半数で医療機器が継続できなくなる可能性がある。停電時には、約4割の施設で医療器機の継続ができない可能性がある。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2020 2019 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 北陸地方の福祉避難所における災害時要配慮者の受け入れ体制と立地特性の検討2020

    • 著者名/発表者名
      中井寿雄、定免一智、板谷智也、堀池諒、山崎智里、橋本智江
    • 雑誌名

      日本災害看護学会誌

      巻: in press ページ: in press

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 就労継続支援事業所に通所する精神障がい者における災害時の症状マネジメントと必要な支援2019

    • 著者名/発表者名
      中井寿雄、板谷智也、濱田衿菜、西岡由江
    • 雑誌名

      厚生の指標

      巻: 20(2) ページ: 22-26

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 災害時におけるケアマネジャーの役割2019

    • 著者名/発表者名
      中井寿雄
    • 雑誌名

      ケアマネジャー

      巻: 21(1) ページ: 77-79

  • [雑誌論文] 災害時要配慮者と専門職の参画による「当事者参画型災害備えシステム.K-DiPS」の開発2019

    • 著者名/発表者名
      中井寿雄
    • 雑誌名

      地域ケアリング

      巻: 21(5) ページ: 88-90

  • [学会発表] 地域の発達障がい児の養護者における災害リスクの理解とGISを用いた避難方向の適切さの検討2019

    • 著者名/発表者名
      中井寿雄
    • 学会等名
      日本精神保健看護学会第29回学術集会
  • [学会発表] 外来リハに通う発達障がい児の特有の困難さとGISを用いた福祉避難所に必要な配慮の検討2019

    • 著者名/発表者名
      中井寿雄、加賀野井聖二、岡村綾、板谷智也、堀池諒
    • 学会等名
      第1回日本在宅医療連合学会
  • [学会発表] 北陸地方の福祉避難所における要配慮者の受入れ体制とGISによる立地特性の検討2019

    • 著者名/発表者名
      中井寿雄、定免一智、板谷智也、堀池諒、山崎智里、橋本智江
    • 学会等名
      日本災害看護学会第21回年次大会
  • [学会発表] 福祉避難所開設時のケア責任者における要配慮者の受入れ体制と心づもり・役割意識2019

    • 著者名/発表者名
      定免一智、中井寿雄
    • 学会等名
      日本災害看護学会第21回年次大会
  • [学会発表] 「当事者参画型災害備えシステム: K-DiPS」による災害時要配慮者の把握と避難可能範囲の検討2019

    • 著者名/発表者名
      中井寿雄、板谷智也、堀池諒
    • 学会等名
      第78回日本公衆衛生学会
  • [学会発表] 石川県における土砂災害警戒区域へ立地する福祉避難所の退避可能範囲と避難経路の検討2019

    • 著者名/発表者名
      中井寿雄、板谷智也、山崎智里、長山豊、寺井孝弘
    • 学会等名
      第39回日本看護科学学会学術集会
  • [学会発表] 地域の要配慮者と専門職がiPadと専用アプリを使って自分に必要な災害への備えを入力することで何が得られたか?-鹿児島県肝付町・石川県内灘町におけるK-DiPS実証実験の成果より-2019

    • 著者名/発表者名
      中井寿雄、小島正美、寺西敬子、山崎智里、塚本陽子、板谷智也、長山豊、寺井孝弘
    • 学会等名
      第39回日本看護科学学会学術集会
  • [備考] K-DiPS ICTで「災害弱者」の命を守るまちづくり

    • URL

      https://k-dips.jp

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公開日: 2021-01-27  

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