1.配置転換した看護師への教育の実態と課題:教育担当者271名への郵送法自記式質問紙調査を実施した。教育に関して認識が高かったのは、「配置転換した看護師の気持ちの理解」「自分の配置転換時を思い出して関わる」、認識が低かったのは、「技術到達度の把握」「個々にあわせた教育・指導」であった。自由記載内容の質的分析から、教育担当者は配置転換した看護師の「キャリアを尊重した教育を実践」しながらも、「キャリアがあるがゆえの指導の難しさ」や、「指導体制の不十分さ」を課題としていたことが示された。 また、職業経験に関する既存尺度との関連をみた結果から、仕事の魅力ややりがいを伝えることや、家庭・地域社会での経験を活かせていることを伝えることが、教育担当者の看護職としての価値基準の確立につながる可能性が示された。 2.プログラム作成:配置転換した看護師のもつキャリアと強みを活かすことを目指し、配置転換した看護師への教育の課題の共有と自己の課題の明確化を目標に、①配置転換した看護師への教育の実態および教育担当者が抱える課題についてのミニ講義、②自己への気づきを振り返るリフレクション、③自己の取組みシートの作成で構成し、総合病院で配置転換した看護師への教育担当者からの意見を反映した。 3.研究成果の公表:第40回日本看護科学学会学術集会「教育担当者が認識している配置転換した看護師への教育の実態」、第41回日本看護科学学会学術集会「配置転換した看護師の教育担当者の職業経験についての評価と看護師への教育に関する認識の関連」
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