研究課題/領域番号 |
17K12198
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研究機関 | 奈良学園大学 |
研究代表者 |
堀内 美由紀 奈良学園大学, 保健医療学部, 教授 (60453148)
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研究分担者 |
松葉 龍一 熊本大学, 教授システム学研究センター, 准教授 (40336227)
宮崎 誠 畿央大学, 教育学部, 特任助教 (60613065)
長岡 千香子 熊本大学, 教授システム学研究センター, 特定事業研究員 (90749839)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 災害看護コンピテンシー / オンライン学習 / 教材設計 |
研究実績の概要 |
最終年はこれまでに開発したeラーニング教材を研究チームで構築したシステム(以下LMS)に実装し,臨床看護師による形成評価と修正を行うことを目標とした。ニーズ調査やワークショップでの意見交換,さらに災害看護および教材設計の専門家のヒヤリングを経て,コンテンツは,「災害と看護(概論)」「災害医療の基本的な考え方であるCSCATTT」「START方式のトリアージ法(デモンストレーション動画利用)」「サイコロジカルファーストエイド」の4つとした。 形成評価は,研究代表者所属機関所在県の病院運営協議会総会で施設管理者(看護部長)を対象に,研究の趣旨および災害看護学修支援システムを説明し,協力承認を得られた14施設+県看護協会の158人の有志によって実施された。途中辞退を除く132人にオンラインアンケートで試用後の意見を聴取した(有効回答率19%)。学習に用いたデバイスは,6割がスマートフォン,残り2割が自宅のPC,2割が勤務先のPCであった。学習の障害となった第1の理由は「まとまった時間の確保」であり,教材の更なるコンパクト化の必要性が示唆された。また,互いの知識を共有するツールとしてeラーニングで頻要されるフォーラム機能を使った意見交換(相互コメント)を試みたが,書き込みを行った学習者は数人であった。匿名性は確保したが,顔が見えない相手へ自分の意見を示す抵抗感が指摘された。学習者間の学習進捗速度の違いも影響していると推察された。その他,通信環境に原因があると考えられたアクセスのトラブルや教材のフリーズ,関連資料のリンクへのアクセスの煩わしさ,1画面の文字数が多いなどの意見を得た。 新しい知見につながったコンテンツは,「サイコロジカルファーストエイド」および「災害と看護(概論)」で,トリアージと回答した学習者はゼロであった。学習課題と教材の対応はさらに検討の必要と考えられる。
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