2022 年度実績報告書

新卒訪問看護師育成・支援のための長期的な看護教育プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号	17K12199
研究機関	名古屋市立大学
研究代表者	秋山明子名古屋市立大学, 看護学研究科, 教授 (00633869)
研究分担者	河野由美畿央大学, 健康科学部, 教授 (10320938) 堀江尚子畿央大学, 健康科学部, 教授 (50598943) [辞退] 栗林伸子畿央大学, 健康科学部, 助手 (50757698) [辞退] 秋吉久美代畿央大学, 健康科学部, 特任助教 (90524976) [辞退] 加藤由加畿央大学, 健康科学部, 助教 (20782999) [辞退] 松川真葵畿央大学, 健康科学部, 特任助教 (80733633) 福山由美佐賀大学, 医学部, 准教授 (40529426)
研究期間 (年度)	2017-04-01 – 2023-03-31
キーワード	訪問看護 / 訪問看護ステーション / 訪問看護師 / 新卒訪問看護師 / 看護教育 / 看護学生
研究実績の概要	新卒訪問看護師育成・支援のための長期的な看護教育プログラムの開発に資する基礎資料を得ることを目的として，新卒者が訪問看護師として就職できる看護基礎教育のあり方を検討した．新卒訪問看護師と熟練訪問看護師を対象としたインタビュー調査，訪問看護師を対象とした無記名自記式アンケート調査を行った結果，新卒訪問看護師が感じていた看護実践上の困難は(1)療養者のニーズを把握する能力，(2)日常生活援助を提供する能力，(3)診療の補助技術を提供する能力，(4)協働していく能力であることが示された．一方，熟練訪問看護師が新卒の訪問看護師に求める能力は，(a)礼儀正しい態度，(b)看護師国家試験合格レベルの基本的な知識と看護技術の習得，(c)患者や家族に配慮できること，(d)基本的な看護技術の実践であることが示された．新卒訪問看護師に必要な能力のうち，看護師国家試験合格レベルの基本的な知識と看護技術，看護基礎教育で学修した看護技術の実践は，現在の日本の看護カリキュラムでほぼ対応できていたが，新卒の訪問看護師は，臨床の文脈で理論的な知識やスキルを翻訳および適用する際に困難を経験していることが示された．そのため，看護学生が理論と実践を看護基礎教育に統合するのに役立つモデルの開発を目指す必要があることが示された．熟練訪問看護師が新卒訪問看護師に求める礼儀正しい態度については，看護基礎教育の中で，患者やその家族に対する適切な礼儀作法等を学修できる機会を設けていく必要性が示唆された．