研究課題/領域番号 |
17K12200
|
研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
福森 絢子 富山県立大学, 看護学部, 講師 (30461354)
|
研究分担者 |
岩永 誠 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (40203393)
三島 瑞穂 宇部フロンティア大学, 看護学部, 准教授 (60613099)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 過剰適応 / 尺度開発 / 看護師 / バーンアウト / 離職予防 |
研究実績の概要 |
過剰適応は「異常な適応の仕方」と言われており、様々な心身の不健康を引き起こす。看護師は、過剰適応に陥りやすいと考えられ、潜在的に過剰適応をしている看護師が多くいるのではないかと推察する。過剰適応によりバーンアウトなどの問題を惹起し、離職へと繋がり易いと推察できる。しかしながら、看護師を対象とした研究はみられず、過剰適応の形成要因も明らかになっていない。「看護師の過剰適応傾向尺度」の信頼性・妥当性を検討することを目的として、就業中の看護師を対象にインターネットを利用したアンケート調査を7月29日(金)-令和4年8月3日(水)に実施した。研究対象者数:1538名、研究対象者からの苦情:なし,結果:看護師の過剰適応傾向尺度は、因子分析(最尤法・プロマックス回転)により「評価懸念」「承認欲求」「自己犠牲」「援助要請の躊躇」「仕事の責任」「自己抑制」「自信のなさ」の7因子がみとめられた。各因子のCronbachのα係数は0.67-0.87と高い内的整合性がみとめられた。また、因子間相関はすべて正の相関を示した。 看護師用過剰適応傾向尺度の基準関連妥当性を検討するために、成人用過剰適応尺度(OTASAS)を用いた。看護師の過剰適応傾向尺度の下位因子とOATSASの下位因子は、すべて正の相関を示した。「評価懸念」「承認欲求」「自己犠牲」「援助要請の躊躇」の下位因子は、従来の尺度と中程度の関連(r=0.431-0.738)がみられ、併存的妥当性が認められた。「仕事の責任」「自己抑制」「自信のなさ」の因子は、従来の尺度との相関は低く(r=0.104-0.396)、看護師の過剰適応傾向尺度独自の因子と考えられる。 また、看護師の過剰適応に影響を及ぼす要因の解明のための調査を今後、実施する予定である。
|