研究課題/領域番号 |
17K12205
|
研究機関 | 独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所 |
研究代表者 |
松元 俊 独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所, 過労死等防止調査研究センター, 特定有期雇用職員 (20342686)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 夜勤時間規制 / 看護労働 / 医療安全 / 健康 / 生活の質 / 休日 |
研究実績の概要 |
看護師を守る制度として1か月あたり72時間の夜勤時間規制があるが、この規制の科学的根拠は調べられていない。夜勤時間と安全、健康、生活の質の関連を調べるため、夜勤種別、設置主体、病院機能、病院規模、年齢階層を調整した上で看護師を対象に調査を行った。 回収済の調査票は、病棟機能別には急性期病棟看護師363名(74.4%)、回復リハビリ病棟看護師84名(17.2%)、地域包括ケア病棟看護師41名(8.4%)であった。回復リハビリ病棟看護師と地域包括ケア病棟看護師を合わせた地域包括・回復期リハ病棟看護師125名(25.6%)であった。夜勤種別には8時間夜勤(54名、18.1%、うち正循環17名、31.5%、逆循環37名、68.5%)、12時間夜勤(55名、18.4%)、13~15時間夜勤(30名,10.0%)、16時間夜勤急性期病棟(104名、34.8%)、16時間夜勤地域包括・回復期リハ病棟(56名、18.7%)であった。病院機能別に夜勤制をみると、急性期病棟、回復期リハ病棟、地域包括病棟いずれも16時間2交代勤務が最も多かったが、その中でも急性期病棟は3交代比率と20歳代比率が高く、地域包括・回復期リハ病棟の2交代比率と30歳代比率が高い特徴がみられた。過去1年間における平均夜勤回数は、急性期病棟(4.87回)と比べて地域包括・回復期リハ病棟(5.10回)では夜勤回数が多かった。有給休暇については、有給休暇の付与日数は急性期病棟で31.3日、地域包括・回復期リハ病棟では25.9日であった。取得日数は、いずれの病棟でも付与日数の約三分の一であった。1ケ月の夜勤時間を「72時間以下」か「72時間超え」に区分すると、16時間慢性期病棟以外のシフトでは72時間以下が多く、特に12時間で72時間以下の比率が高かった。引き続き夜勤72時間と安全、健康、生活との関連について解析を行う。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に従い順調に進展している。看護師を対象とした調査を実施して、現時点までに結果のデータ入力と整理を行い、基本情報の度数分布等の解析まで行っている。
|
今後の研究の推進方策 |
3年目の最終年度では調査結果解析を中心に研究を行い、本研究の主目的である1か月間の夜勤72時間規制と安全、健康、生活の質との関連を明らかにする。
|
次年度使用額が生じた理由 |
調査実施計画の変更により、前年度の研究が解析中心であったこと、データ入力等の作業に関連する人件費および謝金が発生しなかったため次年度使用額が生じた。しかし使用目的に大きな変更は無く、最終年度で使用額の調整を行う。
|