研究課題/領域番号 |
17K12208
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
黒田 久美子 千葉大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (20241979)
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研究分担者 |
清水 安子 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50252705)
錢 淑君 千葉大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (50438321)
正木 治恵 千葉大学, 大学院看護学研究科, 教授 (90190339)
内海 香子 岩手県立大学, 看護学部, 教授 (90261362)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 認知症 / インスリン療法 / 援助指針 |
研究実績の概要 |
1.援助指針についての発信と精錬に向けた情報収集:第22回日本糖尿病教育・看護学会(平成29年9月16日~17日、福岡市)において、交流集会を開催し、関心のある30名程度の看護実践者が参加した。援助指針の骨子案を紹介し、今後の課題等についてディスカッションを行った。利用できる社会資源の少なさや本人・家族からの拒否、老々介護の状況での支援の難しさ、認知症の診断までにハードルが高い(本人は拒否)等の支援に伴う困難が情報提供され、また認知症の専門医との連携は紹介のみの機関が多く、診断されていない方が多い現状であった。インスリン持続注入ポンプ使用中の認知機能低下の事例、持続血糖測定器の活用による医療者の血糖値の把握など、新たな観点も得られた。 2.援助指針の活用と活用事例に関する調査:援助指針についての上記の発信の際に、援助指針の活用可能性に関する研究の協力者を呼びかけ、協力者のリストを作成し、計画を立案中である。 3.認知機能低下を生じた糖尿病患者に対する多様な診療体制や多職種との連携に関する調査や検討:1、2の情報収集で得たネットワーク、また研究者のネットワークを用いて、多様な診療体制や多職種との連携を実践している機関をリストアップし、ヒアリングを実施できるようにした。また文献検討では、恒常的な体制をもつ機関の報告はなかった。また、Indianapolisで開催されたAADE17では多様な1型糖尿尿患者を対象とした教育支援プログラムが発表されていたが、認知機能低下が生じた場合への示唆を得られるものはなかった。ただ、米国では支援する患者の層別化とEducatorの支援の集中を促す考え方が今後必要だとされている点は興味深く、指針の活用の際に参考になると考えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
援助指針案は抽象的であり、多様な診療体制や多職種との連携のありように基づき、実装化をすすめようと考えていたため、試案活用の実施を控えていた。しかし、高齢者が認知症の診断を受けていない状況が想定以上であり、恒常的な連携の体制をもたない機関が多いことがわかったので、そこに拘らず、活用をすすめてもらう研究にすすむこととなった。
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今後の研究の推進方策 |
指針試案の使用とヒアリングをすすめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、多様な診療体制や多職種との連携のありように基づき、実装化をすすめようと考えたが、高齢者が認知症の診断を受けていない状況が想定以上であり、恒常的な連携の体制をもたない機関が多いことがわかった。そこで多様な連携に関する調査はせずに、次年度使用額が生じた。次年度は、試案活用の調査とヒアリングに使用する。
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