研究課題/領域番号 |
17K12213
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研究機関 | 宮崎県立看護大学 |
研究代表者 |
久野 暢子 宮崎県立看護大学, 看護学部, 教授 (40253760)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | HIV陽性者 / セクシュアルヘルス支援 / 尺度 |
研究実績の概要 |
本研究はHIV陽性者に対するセクシュアルヘルス支援において、看護者が抱える課題を明らかにすることを目的とし、その手段としてセクシュアルヘルス支援困難感尺度を開発し、現状を把握するものである。2020(令和2)年度は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大により中断しているHIV陽性者のセクシュアルヘルス支援ニーズを把握するための面接調査を実施できる時期を見計らいつつ、調査依頼できそうな施設への協力打診などを行ったが、結果として調査を実施できなかった。 セクシュアルヘルス支援困難感尺度開発に関して前年度までに行った調査の分析からは、「第1因子:コミュニケーションスキル不足による困難(寄与率28.4%)」「第2因子:患者の価値観に関わる問題だと認識することによる困難(寄与率9.5%)」「第3因子:患者が支援を求めていないと感じることによる困難(寄与率6.5%)」「第4因子:連携不足による困難(寄与率5.1%)」が明らかとなっている。本尺度の活用の意義は、セクシュアルヘルス支援における困難感を明らかにすることで、自己の看護実践のリフレクションにつなげることにある。また、困難感減少に向けた提案も必要であるが、第2因子と第3因子は看護師が患者の認識を看護師の位置から慮ることで生じる困難感と捉えられ、看護師側の努力だけでは看護実践の向上には結びつけにくい。先述したHIV陽性者へのセクシュアルヘルス支援ニーズ調査は、このことに対する提案と本尺度における患者側からの妥当性の検証となり得ると考えられ、必要性が高い。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大により、国内の移動に制限があり調査が困難だったことに加え、勤務先での通常業務がかなり繁忙となったことから、本課題に取り組むことが困難であったため。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大状況に応じて、当初予定していた医療機関もしくは近隣の医療機関でHIV陽性者へのセクシュアルヘルス支援ニーズ調査を実施する。今年度の後半まで調査が困難な状況であれば、本課題の目的を達成できるよう、得られたデータで分析結果をまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大により、前年度に予定していた調査ができたかったため。研究分担者の所属医療機関(所在地:東京)もしくは近隣での調査を予定しているため、それに係る旅費・謝礼・データ分析等での研究費の使用を見込んでいる。また、看護系学会やエイズ医療関係の学会の参加で使用予定である。
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