研究課題/領域番号 |
17K12220
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
小田嶋 裕輝 名古屋市立大学, 看護学部, 講師 (20707567)
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研究分担者 |
古都 昌子 札幌市立大学, 看護学部, 准教授 (00602583)
天野 薫 名古屋市立大学, 看護学部, 助教 (90747833) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 看護過程展開 / クリティカルシンキング能力 / 教材 |
研究実績の概要 |
国内における教材開発の現状について、先行研究分析を行い、総説として採択された。分析の結果、以下の4つの結論が導かれた。1.教材開発の目的は,対象理解や看護技術の習得を目的としたものであった。しかし,卒後教育での教材開発に関する報告はなく,看護継続教育に関する報告は少なかった。2.対照群を設定した無作為割り付けによる効果検証をした研究の蓄積が必要である。3.教材の効果検証における評価主体は,相互評価によることを原則とすることが望ましい。4.教材の長期的効果を検証することや,変化の要素を取り入れた教材開発の推進が課題である。これを踏まえ、健康な状態から病的な状態への移行や、病的な状態から健康な状態への回復に至る過程を表現した回復生理過程の教材を、循環器疾患、腎疾患、脳血管疾患、消化性潰瘍、肝疾患に関して開発した。その検証の対象は、A県B市の1総合大学の看護学部2年次の学生14名であり、看護過程展開演習や講義で用いることにより、学生のクリティカルシンキング能力に及ぼす影響を評価することで行った。質的な側面として、看護過程の展開における教材の役割に関して、30コード、11サブカテゴリー、5カテゴリーが抽出され、【患者の内部環境のアセスメント力の向上】など5つのカテゴリーで構成された。教材の良い点・改善すべき点に関して、22コード、9サブカテゴリー、3カテゴリーが抽出され、【病気のアセスメントに必要十分な情報提供】など3カテゴリーで構成された。本教材を用いて看護過程の展開を行うことにより、学生は患者の病気について、正常からの比較により異常な病態への変化一般を踏まえ、患者がどの健康の段階にあるかを確認することができると考える。今後は、教材の強化の縦断的評価や、多様な教材で効果検証を行うことが課題と示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
開発した教材の検証を縦断的に行っていくこととしたため、追跡のために時間を要している。しかし、教材は既に開発しているため、追跡期間を経れば速やかに研究成果としてまとめられると考える。
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今後の研究の推進方策 |
開発した教材の効果についての縦断的評価を行う。また、検証結果について学会発表や論文発表を通して、研究成果を社会に還元する。
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次年度使用額が生じた理由 |
効果検証を縦断的に行っている。縦断的に効果検証を行うのは次年度としたため、次年度使用額が生じた次第である。また、今後、書籍化に伴う費用の捻出が見込まれているが、これらは教材の効果検証が終わった後に行うこととしたため、次年度に費用を繰り越した次第である。
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