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2018 年度 実施状況報告書

便秘改善を目指した体水分量測定による腸内環境健康指標の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K12221
研究機関大阪市立大学

研究代表者

岡山 加奈  大阪市立大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (20549117)

研究分担者 荒川 満枝  鳥取看護大学, 看護学部, 教授 (00363549)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード排便コントロール
研究実績の概要

本研究では、Quality of lifeを左右する健康指標として常に注目されている排便に着目し、飲水量に伴う腸内細菌叢の変化や体水分量(率)を詳細に解析し、腸内細菌叢と体水分量(率)との関連を明らかにすることを目的としている。2017年度は、本研究遂行にあたり倫理審査委員会による承認を得るとともに肌水分計を用いた皮膚角質層水分量の測定部位に関する予備実験と便秘症状の有無に関する質問紙調査を行った。
2018年度は、予備実験の結果を参考に、多周波数整体電気インピーダンス法による体水分量(率)測定を行うことができるよう環境を整えた。また、2017年度に実施した便秘症状の有無に関する質問紙調査の分析を行い、便秘有訴者と判定され、飲水量に伴う腸内細菌叢と体水分量(率)の関連を検討することへ協力が得られた対象者の観察を行った。対象者の糞便サンプルの採取を行い、NGS解析と併せて細菌培養も行い、16S rRNA配列に対応するプライマーを用いて、一部の細菌のPCRを実施しDNAの精製を行った。また、対象者の排便状況、飲水量を含む日常生活状況、体水分量(率)のデータ解析を行った。一部の解析結果より、飲水量は腸内細菌叢や体水分量(率)の変化に影響を及ぼす傾向がみられている。腸内細菌叢には個体差があり、個人においても日によって違いがある傾向が観察されている。
現在、精製したDNAのシーケンス解析を行い、細菌の同定を進めている。また、対象者の確保を目指し、健康な成人を対象に便秘症状の有無に関する質問紙調査を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2017年度に実施した便秘症状の有無に関する質問紙調査を分析したところ、便秘有訴者は事前調査結果より少なく予想外の結果であった。このため、便秘有訴者と判定され、飲水量に伴う腸内細菌叢と体水分量(率)の関連を検討することへ同意を得ることができる対象者の確保に時間を要した。また、糞便サンプルからのDNA量は十分にあるものの、NGS解析において菌叢解析が困難なサンプルが存在することが発覚した。これにより、対象者をさらに確保する必要性が生じたため、当初の予定よりやや遅れていると考える。

今後の研究の推進方策

2019年度は、対象者を確保するため、便秘症状の有無に関する質問紙調査を他施設でも実施する。腸内細菌叢は個体差が大きいということが本研究からも明らかであるため、対象者が研究の全工程を終えることができるようサポートし、糞便サンプルの保存方法にも留意する。糞便サンプルのNGS解析を行うとともに、培養により同定された細菌の性質についても検討を重ねていきたい。また、これまでの成果を学会等で公表できるよう努める。

次年度使用額が生じた理由

予算の余剰を生じた理由は主に3点あると考えている。1点は便秘症状の有無に関する質問紙調査を分析したところ、便秘有訴者数が事前調査結果より少なかったこと、2点目は糞便からのDNA抽出が困難なサンプルが存在し、NGS解析を実施できなかったこと、3点目はDNA量は十分にあるもののNGS解析において菌叢解析が困難なサンプルが存在し、解析が中断したことである。
現在、他施設での便秘症状の有無に関する質問紙調査も計画しており、次年度における糞便サンプルのNGS解析および体水分量(率)のデータ解析用PC購入費などに使用する予定である。

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公開日: 2019-12-27  

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